コンテンツ評論 テレビ番組評

「3年A組~今から皆さんは、人質です」をみた

ひどいドラマもあったもんだ。

自殺した生徒の死の真相を明らかにすると宣言して、ひとりの教師が゜1クラス30名の生徒を人質に教室に立てこもる。
校舎をあちこち爆破して、外部と遮断された教室では「授業」と称する追求がはじまる、そして反発した生徒ひとりを教師は刺殺する。ここまでが第一話。

この監禁が10日間続く、生徒たちは着の身着のままなのになぜか毎日家から通っているかのようにパリっとした制服を着ている。動揺もさほどしない。普通目の前で爆破や殺人を見せられたら、精神に異常をきたすと思うが。

ストーリーが進むにつれて、殺されたと思われた生徒が実は協力者で死んでいないことがわかり、生徒たちは教師に協力をしはじめるが、そんな事実が明らかになる前に精神を病む生徒が出てくるだろう。

なぜか、警察は到着しているのに踏み込まない。そのうち警察中にも協力者がいることがわかってくるが、10日間も膠着状態が続いたら警察上層部だけでなく、ふつうは政治が介入してくるだろう。

とにかくまったくといっていいほどリアリティがない。ドラマがつねに現実的であれ、とはいわないがこんなにリアリティがないドラマはひさびさである。

これは連ドラにすべき物語ではない。映画かスペシャルの単発ドラマなら、勢いだけでのりきれたかもしれない。

最終回、どうやら生徒を自殺に追い詰めたのがSNSによる言葉の暴力だったことを糾弾することが教師の目的だったらしいと明かされる。いや、もうこちらはそんなことより、教師の行為そのものがもうダメだ。

SNSを糾弾するために、校舎を爆破したり生徒を監禁する必要がどこにあったのだ。
この校舎に4月から入学、あるいは3年生の教室に進級してくる生徒のことをこの教師は考えたことがあるのだろうか。

ドラマの都合で生徒は平静をたもっているが、本当ならPTSDに陥る生徒が出てきてもおかしくない行為だ。そのことを考えたことがあるのだろうか?

おまけにこの教師は死病を患っており、余命いくばくもないという設定だ。自分が罪を償うまで生きていられないから何をしてもいいというだろうか?

たしかにサスペンスとしてはよく練られており、主演の菅田将暉の鬼気迫る演技も素晴らしいが、そんなところにたどり着くことすらありえないというのが感想だった。

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