コンテンツ評論 テレビ番組評

「昭和元禄落語心中(ドラマ)」をみた

2018/12/16

戦前から昭和にかけての落語の世界を舞台としたドラマ。先んじてアニメでも放映され、評判になったらしい。

岡田将生が八代目有楽亭八雲(前座名菊比古)という落語家を10代から70代にかけて演じる。
大きく物語は八雲の青年シーン、と晩年シーンに分かれる。

第1回で弟子となった与太郎(のち三代目助六)と養女の小夏が登場し、八雲の自分語りがはじまる。
第2回から第6回にかけて八雲が先代八雲に入門してから、同門の助六(前座名初太郎)との競い合いつつ自分の芸を磨いていく様子が物語られ、それがタイトルにもなっている「心中」で締めくくられる。
第7回からふたたび晩年シーンに戻り、与太郎と小夏を中心にストーリーが進んでいく。

テーマは「芸の伝承」だと考えていいだろう。

岡田将生はこのドラマでひとつ新しい境地を開いたんじゃないかと思う。その「色気」を賞賛する声も多い。

しかし、やはり晩年シーンでは違和感が目立った。ビジュアルや仕草ではない「声」でだ。
しゃがれたゆっくりのトーンで老いを表現しているし、それが年齢を深めるにつれて年老いていくのは演技としては見事だ。
しかも、その声で落語を演じるのである。

しかし、本来の地声を歪めて作った声だから自然に年齢を重ねた声には聞こえなかった。
残念だが、落語も青年シーンのほうがよかったのだ。

あえて晩年シーンでは別のベテラン俳優に八雲を演じさせる選択肢もあったと思うのだが。

むしろ、伸び伸びと演技をしていた、二代目助六の山崎育三郎と三代目助六の竜星涼の演技が素晴らしかった。

-コンテンツ評論, テレビ番組評
-, , ,