コンテンツ評論 映画・DVD評(邦画)

「三度目の殺人」をみた

現代の「藪の中」のような映画である。

是枝裕和のオリジナル脚本だが、最後まで殺人の真犯人が誰だったかについては語られずに終わる。

殺人事件の被告役の役所広司がつかみどころのない男を演じていて、好演。
最初は殺人を認めており、終盤でその主張をひっくり返して事件への関与じたいを否定するのだが、その表情からはどちらが真実かは読み取れない。

一方、弁護士役の福山雅治は、まあまあ。
エリート弁護士にしてはやさぐれているし、事件への関わり方じたいもうひとつ自然に感じられない。

被告の三隅は二度しか殺人を犯していないのに「三度目の殺人」というタイトルの意味は? など、観客がこの事件について考えるための材料はそこかしこに放り出されているのに、真相はついに語られることはない。

曖昧模糊としたまま、映画は締めくくられる。

被害者の娘を演じる広瀬すずも好演。
ただのアイドル女優ではないことは、こうしたストーリーの中にたしかな存在感を放つことでも確認できる。

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