コンテンツ評論 テレビ番組評

「68歳の新入社員」をみた

カンテレ制作の単発ドラマ。脚本は「ひよっこ」などの岡田恵和。

高畑充希と草刈正雄のダブル主演のサラリーマンドラマ。
しかも、このふたりで上司に当たるのは高畑充希のほうである。

68歳の仁井本(草刈)は、定年退職して8年。元の職場の社長に誘われて再雇用されることになる。配属は新規事業開発チーム。そこの責任者が28歳の繭子(高畑)だった。

となると、普通は頭の固い老部下が若い女上司に反発し喧嘩をしながらも、そのうちに絆を深めていくストーリーかと思う。が、そうではない。

仁井本は最初から腰が低く、繭子を「ボス」と呼んで敬い、仕事を教えてもらうという姿勢を貫く。女だからとも、若いからとも、軽く見ることはしない。こんな高齢者、いるだろうか?

一方繭子の方は、中途採用で新規事業開発を任され、それなりの結果は出しつつもプレッシャーを感じている。しかも、新しいテーマに、使えない仁井本まで押しつけられて焦る日々。ついつい仁井本にも当たりが強くなる。

高畑充希は、難役をスレスレのバランスで魅力あるキャラにまとめた演技をしている。普通なら、高圧的な嫌な女で終わりそうなところを、少しずつ可愛げを見せ、内心の自信のなさを垣間見せつつも、だんだんと心を開いていくストーリーがうまく高畑の演技とマッチしていた。

草刈正雄は、あの「真田丸」の真田昌幸のような、キャラの濃い役を魅力的に演じるかと思えば、こんな飄々とした軽めの味を出してくるとは驚いた。

残念さがあるとしたら、お仕事ドラマの側面がありながらふたりのキャラを描くことに腐心するあまり、2人が取り組んでいる新規事業の内容がわかりにくいことだ。最後はうまく2人が課せられたテーマをクリアしてみせるだけに、もうちょっと仕事の面も描かれていたら、と思わせる。だが、それも岡田恵和らしくはある。

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