藤川球児、独立リーグ高知へ

阪神の絶対的守護神だった当時。
誰もが驚いたに違いない、藤川球児投手の四国アイランドリーグPlus高知ファイティングドックス入り。
さまざまな憶測が飛び交ったが、こんな記事も出た。
赤坂8丁目発 スポーツ246:藤川球児が独立リーグ入りを選んだ「真の狙い」 - ITmedia ビジネスオンライン
それでも現状で商品価値がないまま古巣・阪神の温情に甘えてプレーするという“美しくない選択”を取って目先の高いカネを得るよりも、ゼロからのスタートで「お金じゃない」という姿勢を打ち出し、故郷にも錦を飾るほうが万人受けは絶対にいいに決まっている。「藤川球児」というブランドも低下しない。
この考え方を否定はしない。そういう思いも少しはあったに違いない。
しかし、藤川が日本復帰にあたって古巣・阪神タイガースを含むNPB球団ではなく、独立リーグを選んだことには別の思いがあったと思う。
藤川はブログでこう語っている。
志|藤川球児オフィシャルブログ
必要とされる場所で投げたい。そして家族と一緒に居たい。
高知ファイティングドックス入りは藤川サイドからアプローチしたものだという。当然だろう。ろくに給料も出せない独立リーグ球団が、億単位の年俸をもらっていた元MLB選手にオファーを出すわけがない。
それに先だって、藤川は古巣阪神とも対話はしている。
外から阪神をみていて藤川にはいろんな思いがあっただろう。
今年のシーズン開始前、藤川は「イキザマJAPAN」というトーク番組に出演した。
番組のホスト、小籔千豊が阪神のFA選手偏重について思いを語ったのに対し、藤川は「それは球団の経営方針だから」と言葉を濁した。しかし、その表情は阪神に対する万感の思いをあらわしていた。
ホントか嘘か、こんな記事も出ている。
【記者の目】「なぜ俺が必要?」に「坂井オーナーが(獲得を)言うてるから」 サンスポ)
「…プレーするには理由がいる。なぜ、俺が必要なのか」(…)
関係者によれば、藤川は窓口の高野球団本部長と話をした際にも同様の思いをぶつけたと聞く。だが、回答のニュアンスは想像を絶するものだったようだ。
「坂井オーナーが(獲得を)言うてるから」
この言葉が本当ならば、藤川は阪神に対して深い絶望と批判の気持ちを抱いたのではないだろうか。
かつて生え抜きのスター選手として阪神ファンを湧かした自分が、今は反対に外部からの補強選手としての立場に立たされている。
「優勝するためにおまえが必要だ。帰ってきてくれ」という熱意があったのならまた違ったのかもしれないが。
「このまま、阪神に戻ったらダメだ」と思ったに違いない。
藤川球児が阪神に戻ってくる可能性はゼロではない。だが、そのためにはまず阪神そのものが変わらないと無理だろう。