コンテンツ評論 テレビ番組評

「#ごちそうさん」をみた


「あまちゃん」の後番組として始まった朝ドラ。NHK大阪の制作だ。

あまちゃん」と、そのひとつ前の「純と愛」は現代劇だったが、このドラマはある意味、朝ドラとしての王道を行くザ・フォーマット朝ドラといえる。

近現代を舞台とし、女主人公の少女時代から結婚、出産を経て母としての生活までを描く。そして、大阪制作の特徴として、主な舞台は大阪である。

少し王道を外れている部分があるとしたら、それは主人公が専業主婦だということだろうか。朝ドラはヒロインに何かの職業性をかぶせることが多い。私の見てきただけでも、「カーネーション」が洋装店、「梅ちゃん先生」が医師、「純と愛」がホテル、そして「あまちゃん」が観光海女とアイドルである。

その代わりといってはなんだが、「ごちそうさん」は料理というモチーフを持っている。主人公め以子は東京の西洋料理店の娘に生まれ、食べることが何より好き。そして物語の中で、料理を作って食べさせるということの喜びを知るようになる。そして、それは後に大阪に嫁いで主婦となった時に生きてくるのである。

なので、料理と行っても家庭料理であり、ホームドラマであった。もっとも朝ドラは基本的にホームドラマであることが多いので、これもまたひとつの王道だといえる。開始直後は、東京と大阪の味のちがいなど、料理カルチャーが相当テーマ性をもってくるのかと思っていたが、さほどにはクローズアップされなかった。

「ごちそうさん」の中で私が一番面白いと思ったのは、ラストの3週にあたる終戦後である。ここで主人公は、夫が満州に抑留され、家は空襲で焼かれ、生きていくために料理の腕を使い始める。ようやく、ひとつの職業性に行き当たったわけだ。実はめ以子が料理店の娘という設定から、もっと早くに料理の店でも開くのかと思っていたのだが、最後の最後にそうなったわけだ。

もうちょっと戦後のストーリーをふくらませてあってもよかったかもしれない。戦前の部分がやや沈滞ぎみに思えただけに、焼け跡の中で、料理の腕を唯一の助けに、力強く生き抜いていく「大阪のおばちゃん」め以子の姿を見ていたかったような気がする。

-コンテンツ評論, テレビ番組評
-, , ,