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#あまちゃん 第4週「おら、ウニが獲りてぇ」再見

第4週は海女修行編の総決算

第4週は海女修行編の総決算

「あまちゃん」最初の1ヶ月を占める、海女修行編がクライマックスを迎える。
晴れて謹慎も解け、アキはふたたび海に潜るようになるが、なかなかウニはとれない。
一方でミス北鉄になったユイはネット動画のおかげでブレイク。北三陸におおぜいのおたくが押し寄せる。

ヒロシが撮った動画のおかげで、アキまでぷちブレイク。
ウニをとれない不甲斐なさと、意外に高まった人気の陰で、そのギャップに悩むアキの姿が、なんともいじらしい。

いじらしいといえば、ヒロシの恋心もエスカレート。「ストーブさん」という呼び名も定着して、ついにアタックを開始するものの、物語終盤までまったく報われない不憫キャラがここにはじまる。

改めてみるとこの週は「あまちゃん」の題名に隠されたアマチュアという言葉が、いくつも形を変えてクローズアップされていた。

ご当地アイドルとしてブレイクし、地元の期待を一心に背負っても顔色ひとつ変えないでそれをこなすユイのプロっぽさに、アキは思わず「かっけー!」と言ってしまう。そのアキは、海女としてもウニひとつとれないアマチュアだ。アイドル的人気が出ても、なかなかそれに順応できない。

もうひとつは、「観光海女はサービス業」と言い切る夏ばっぱのプロ精神と、つい正直に安部ちゃんの影武者を告白してしまうアキのアマチュア性。エンターテイメントの基本ともいえる、「お・も・て・な・し」についての議論がここではじまっている。ここでアキが学んだことは、ずっと先のアイドル修業に生かされているはずだ。

アキが春子の過去に興味を持ちはじめるのも、この第4週だ。「あまちゃん」を春子の物語としてとらえるなら、アキがそれを紐解いていく役になる。アキは春子が使っていた隠し部屋に出入りするようになり、80年代少女だった春子の姿をイメージしはじめる。それを察知した春子の動揺もまた、描かれる。ご当地アイドルとして人気が出始めたアキが、やがてアイドルに興味を持ち始めることが春子には読めたのだろうか。

シナリオから大きな発見はなかったが、ひとつだけ。アキと春子がはじめて隠し部屋で顔を合わせた時、春子は「見られちゃマズいものは隠したから」と言っている。はたして、何を隠したのだろう?

このあたりまで、アキはあまり一人称を「おら」とは言っていないということも発見だった。

追記:
第24回。本気獲りにのぞむアキを双眼鏡で見守る春子と夏のシーン。
春子は夏に「なんで(本気獲りの権利を)譲ったのよ。私が潜ってた頃は、絶対代わってくんなかったのに」と言っている。

後に明らかになったことでは、春子はアルバイトとして観光海女の接客など陸上サービスはやったが、潜りはしなかったはず。そうでないと春子の家出前夜、長内組合長や当時の市長が訪ねて来て「頼む。春ちゃん、潜ってけろ」と懇願したはずがない。
ただし、春子は子どもの頃から夏に素潜りの訓練を強制されていたから、潜る技術は持ってたはずだ。「ウニは銭」という言葉も聞いて育っただろう。

そこから想像できる結論はひとつ。春子は、小遣い稼ぎに密漁をしていたに違いない。

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