平成徒然草

「自分を犠牲にする精神」について

写真と本文は関係ありません

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気になった記事。横浜で、踏切内に立ち入った老人を助けようとして亡くなった女性に関するものだ。

踏切救助死の村田さん悼み通夜 横浜、首相も感謝状 - 47NEWS(よんななニュース)

通夜の前には菅義偉官房長官が斎場を訪れ、村田さんの行動をたたえる安倍晋三首相名の感謝状を遺族に贈った。政府は人命救助に尽力したとして紅綬褒章の授与も決め、遺族に銀杯や神奈川県警の感謝状も届けられた。 菅氏は焼香後「身の危険が伴うにもかかわらず救出しようとして尊い命を犠牲にされた。真に勇気ある行為を心からたたえる」との感謝状を代読した。

日本人は「自己犠牲」というか「我が身をかえりみず、他者を救った」という逸話が大好きらしい。

これについて、もうひとつ気になった記事。

踏切事故救出で死んだ人に感謝状を送る美談に仕立てる気持ち悪さ : つぶやきかさこ

「自らの生命の危険を顧みずに救出に当たった行為を胸に刻みたい」?
バカじゃないの。
そういうのは勇気といわず無謀という。
無謀というのはほめられた行動ではない。
たとえ善意であっても。
それとも何か。
国や県や市は、自分が死んでもいいから、
下手したら自分も助けようとした人も死んでもいいから、
他人を助けるために突っ込めと推奨しているのだろうか?

救助術の基本として、最初に教わることは「救助者は自分の身を守らないといけない」ということだと聞いている。
自分の身の安全を確保することなくして、他者の救助に向かうことはやはり無謀といわざるをえない。

いや、この女性に向かって言うことではないかもしれないが、感謝状や勲章を贈る政府をはじめ、番組内で褒め称えるテレビなどマスコミも含め、周囲はちょっと冷静になって考えてほしいものだ。せめて「両者とも助かるためにはどうすべきだったか」というコメントが必要だろう。

先の大戦で、特攻作戦などという非人道的かつ非効率的な作戦を生み出したのが、こうした精神風土だということも考えておく必要がある。
自己犠牲の精神は尊いものだ、ということを無批判に受け入れないように。まして、自己犠牲を強いる風潮には、安易に乗らないように。

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