コンテンツの育て方 コンテンツ文化論

#あまちゃん の天野アキ役 能年玲奈

2013/09/16

Amano Aki

「前髪クネ男」の言葉に反応する天野アキ(「あまちゃん」第128話より)

とりあえず「あまちゃん」の作品についていろいろと書くのは、まだ控えている(一方でTwitterでは毎日書いている)。だが、今日は主人公天野アキを演じている女優について書いてみよう。

能年玲奈という若い女優がいることは、以前から知っていた。たまたま見ていたドラマに端役で出ていたからで、名前と顔くらいしか知らなかった。本格的に注目するようになったのは、「あまちゃん」がはじめてだ。

彼女の特徴は、その表情にある。
はっきり言って、(非ネイティブの方言キャラという、独特な役なので目立っていないが)能年玲奈の台詞回しはまだたどたどしい。
発声や滑舌もよくない。だが、それを補って余りあるのが、表情による表現力だ。

毎回、彼女の表情には驚かされる。表情だけで、何を感じているのか、何を考えているのか、伝わってくるからだ。

ひとつの例として「あまちゃん」の第128話を見てみたい。「あまちゃん」ファンなら「前髪クネ男」のエピソードといえばわかるはずだ。

天野アキが初主演映画を撮影している。その映画の中にキスシーンがあるのだ。その相手というのが、人気ダンスグループのパフォーマーだというのだが、アキの苦手なチャラ男である。アキはひそかにこの相手役に「前髪クネ男」というあだ名をつける。アキはまだ恋人である種市とさえキスをしたことがない。

キスシーン直前、アキは腹を決めてスタジオに入る。ところが、前髪クネ男はキスシーンを断っていて、監督と言い合いになっている。それを聞いている時のアキの表情だ。たいして長いシーンではない。

この短いシーンで能年玲奈は、表情を5つ6つ変えてきた。わずかな変化だが、その表情の動きから、驚き、前髪クネ男への怒り、キスをしないで済む事への安堵感など、いくつもの感情がアキを流れていったことがわかる。

このシーン、主役はアキではない。前髪クネ男と監督だ。アキには台詞が一言しかない。にもかかわらず、カメラはアキの表情をとらえ続けた。

演技プランなどないと思う。おそらく、反応だけだと思う。しかし、これほど表情が雄弁な若手女優は見たことがない。
朝ドラヒロインの先輩でも、表情が3つ4つしかないのではないか、と思うほど能面のように表情に乏しい女優もいるほどだ。

と思っていたら、こんな記事があった。

本誌謹製 NHK連ドラ『あまちゃん』読むと100倍楽しめる完全ガイド 人間関係がひとめで分かる人物相関図付き  | 賢者の知恵 | 現代ビジネス [講談社]

(岩手ことば指導のだるま太朗氏)「能年さんとの会話はいつもこんな感じで、『は』とか『へ』しか発しないんですが、表情が豊かというか、言葉以外の部分が雄弁だから、何を言いたいのかなんとなくわかってしまうんです」

生来の表情の豊かさだったのだ。

「あまちゃん」が成功したことで、能年玲奈も一躍注目をあつめ、次回作が注目されている。
記事によると、所属事務所のレプロ・エンタテイメントはポスト新垣結衣として、主演できる作品を選んでいるようなことも聞こえてくる。

だが、私は彼女はどっちかというと助演タイプに思えるのだ。「あまちゃん」が成功したからといって、一気に主演女優というのは早いのではないだろうか?

能年玲奈はまだ20歳だ。あと6~7年は助演で勉強してほしい。主演女優を張るのはそれからでも全然遅くないと思う。
可能性を感じるし、大きく育ってほしいからこそ、そう思うのだ。

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