映像文化を語ってみる

CM強制視聴

2010/12/28

CNET JAPANには、海外の示唆に富んだニュースが頻繁に掲載されるので注目だ。
今回の記事はこんなニュース。

 Royal Philips Electronicsが、テレビの視聴者がコマーシャルの間にチャンネルを変えられなくする、あるいはデジタルビデオレコーダー(DVR)コンテンツのCM部分を早送りできなくする装置を発明した。

 この制限を受けないようにするには、放送局に料金を支払う必要がある。この制限機能は番組単位で実装でき、視聴者が各番組の開始時にいずれかを選択できる。

 先ごろ公示された特許によると、この装置はセットトップボックス内部で機能する仕組みだという。これはMultimedia Home Platform(MHP)規格を使って最初の制御信号を受信し、テレビを制御する形で応答する。MHPはさらに、パイパービューコンテンツの認証時に制限を解除する支払情報も送信可能だ。

よくわからんのは、普通のテレビを見る際にSTB(セットトップボックス)なんちゅうものは噛んでいないと思うんですが。

この技術を応用されると、こんなことになるという。

 (1)広告表示中は(録画ではない)直接配信された番組を視聴者が切り替えられないようにする。(2)録画された番組については、一緒に録画された広告を飛ばすための早送りができないようにする。視聴者は、そのまま広告を視聴するか、料金を支払うことでチャンネルの切り替えや、早送りを行うことになる。

DVRというものが登場した時に、これはすでに言われていたことだ。番組を録画してCMをスキップして見られることにより、テレビの広告価値が低下する。「CMスキップは著作権法違反だ」と言ったテレビ局幹部もいたっけ。

それだと、CM上映中に視聴者がテレビの前を離れないように監視する装置も必要ではないのか。それは、こんなかたちになる。

この装置はソファ、または座布団内部で機能する仕組みになる。これはMultimedia Home Platform(MHP)規格を使って最初の制御信号を受信し、CM上映中に視聴者が席を立たないようにベルトを使って拘束する仕組みとなっている。ちなみに、視聴者が目を閉じないようにするための追加技術は開発中である。

製品化した人は私にアイデア料を払うように。

記事の最初のほうに書かれていたように、これは放送局に対して料金を支払うことにより無効になるらしい。しかし、これは自己矛盾をはらんでいないか?

貧乏人ばかりがCMを見ることになる。購買力のない貧乏人は、無料で放送を見るためにCM込みで視聴するわけだ。しかし、金持ちは料金を払ってCMなしの放送を見る。結果、貧乏人向けの低価格な商品のCM以外を流しても意味なくなり、結局テレビの広告価値が低下する。

どうせなら、画面を分割したらどうなの? 選挙速報みたいに、画面の縁に広告が入るのだ。料金を払えば、フル画面で見られる。

いっそのこと、Webのアフィリエイトのように、実際にテレビを通して商品が購入できるようにし、その局からの購入金額が一定の基準を超えたらCMなしで放送を見られるとか。

いずれにせよ、こういう技術の導入は民放のビジネスモデルの転換点になる。
日本で実際にこういう技術が導入されるのかどうかはわからないが、もしされたら、大幅に民放の視聴者が減るだろうなあ。

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