「釣りキチ三平」をみた
2011/01/16
VAP,INC(VAP)(D) (2009-10-07)
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滝田洋二郎監督が「おくりびと」の次に作った作品。
私は釣りをしないが、カヤックを趣味にしているので、川は大好きだ。
そういう点で、川という環境がいかに美しく描けているか、ということが大変気になった。
冒頭、鮎釣りが行われる中流域があり、上流域を遡っていく源流行あり、クライマックスは「夜泣き谷」といわれる山中の湖に至る。
いわば川のさまざまな相を舞台にした映画だ。
最初のくだりで描かれる秋田の川は美しい。
あえて言えば、夜泣き谷の描写が残念。
「楽園」という言葉が出てくるが、その楽園らしさが全然伝わってこない。
たんに怪物級のイワナがいるから楽園なのではないはず。
人里離れた山中だからこその美しさがあってもいいはずなのだが。
釣りという戦いは、映像化するのが難しい。
釣り人は地上におり、魚は水中にいる。その間は釣り糸一本でつながっている。
水中の魚をCGでビジュアライズして、その戦いを両面から描こうという発想はいいと思う。
だが、CGの魚の質感や動きがいまいち。
日本のビジュアルエフェクトの老舗、白組が制作してクレジットまで入っているのに。
はじめのほうの鮎釣り勝負で三平がとった戦法は、それなりに理屈が通っていた。
それと同じくらいの論理性が、最後の対決でもあってよかったのではないかな?