ネットとコンテンツの関係論

ソニー動画サイトの未来形2

2010/12/28

ソニー動画サイトの未来形」を書いたあとで、ACIDという音楽制作ソフトをいじっていて、ふと気がついた。すでに、ソニー系列には先例があるのである。

ご存じない方のために、説明しておく。ACIDというのは一般にループシーケンサーと呼ばれている音楽制作ソフトの元祖である。ループ(繰り返し可能な音素材)をタイムライン上に貼り付けるかたちで音楽を作る。実際に音を聴きながら、重ねていくので、音楽理論を知らない人でも、感性にまかせて比較的簡単に楽曲らしいかたちを作れる。

このソフトは、もともとSonic Foundryという会社の開発していた製品だったが、ソニーに会社ごと買収され、現在ではSony Media Softwareと改名している。

ACIDにはもうひとつの特徴がある。ACID Planetという、誰でもACIDで作った楽曲を公開できるサイトに、直接アップロードが行えるということだ。ACID Planet上では有名アーチストのリミックスコンテストなどが行われている。

これは音楽版の投稿サイトと見ることができる。基本はソフトの販促のようにも思えるが、YouTube型の動画投稿サイトにきわめて近い立ち位置と思える。

ところで、Sony Media Softwareにはビデオ編集ソフトもある。Vegasという製品である。

そういうふうに考えるなら、ソニー系列にはすべてが揃っている。ビデオカメラ、PCハードウェア(VAIO)、ビデオ編集ソフト、映画などの動画コンテンツ、コミュニティ型投稿サイトの運営ノウハウ、そして今Grouperを買収したことで動画投稿サイトのノウハウも加わった。

これらを生かすも殺すも、経営者のセンスしだいである。現在のところ、それぞれグループ内の別々の会社が運営しているわけで、それを一カ所に統合することは結構困難そうにみえる。

単にYouTube追撃や映画コンテンツ配信だけととらえるなら、そこからソニーらしさは生まれてこないだろう。真に「ソニーらしい」サービスが、生まれるかどうか、期待してみていよう。

-ネットとコンテンツの関係論
-