映画・DVD評(洋画)

「ナルニア国物語第一章・ライオンと魔女」をみた

2010/12/28

ナルニア国物語は、私も子どもの時よく読んだものだ。「ライオンと魔女」はその第一巻(執筆順)なので、よく覚えている、…つもりだったが、大筋は覚えていても細部は忘れていて「こんな展開だったっけなあ」と首をひねることしきり。

戦争のため田舎の古い屋敷に疎開した四人の兄弟姉妹。末娘のルーシーがかくれんぼの時に古い衣装箪笥を発見して潜り込む。衣装箪笥の奥には、百年も続く冬(ただしクリスマスなし)に閉ざされた森(ナルニアの国)があった。ルーシーはそこでタムナスと名乗るフォーン(下半身が山羊の半獣人)と知り合う。一方、その兄のエドマンドはナルニアの女王と名乗る白い魔女と会う…。

世界三大ファンタジーのひとつとされる「ナルニア国物語」のディズニーによる映画化だ。(ちなみに他のふたつは「指輪物語(ロード・オブ・ザ・リング)」と「ゲド戦記」)
これはストーリーに由来するところでもあるけれど、クライマックスの戦争シーンにくらべて、前半がなんとなく貧相。冬の森の中は閉鎖的だし、魔女もあまり大物には見えない。手下がドワーフとオオカミだけだし。

「ロード・オブ・ザ・リング」の中つ国にくらべて、ナルニアという空間の広さを感じないのだ。なんか、同じ町内に敵も味方も顔を揃えているようだ。そこの角を曲がれば次の展開がある、という感じの狭さ。

そういう不満も、雪が溶けるうちに解消して、壮大なラストの戦闘シーンに突入するのだが。ジュブナイルなのに戦争ばかり迫力があって、いいの?

ファンタジーの大作実写映画化が次々と行われている。CGや合成の技術が発達して、アニメでしか描けなかったシーンも実現できるようになったことが大きい。しかし、絵で表現してしまうことでのファンタジーの矮小化も避けられてはいない。

たとえば、この作品でいうとライオンのアスラン。ナルニアの創造主で、100年続く冬の時代からナルニアを解き放つ、偉大な存在なわけだ。それが画面に出てきたら、たんなる物言うライオンでしかない。たしかに原作の記述どおりに絵にすればそのとおりなんだが。

末っ子ルーシーのキャラが、他の兄弟たちに比べて際だっている。原作では、ナルニアの扉を開く重要な役割ではあるが、その後の展開では目立たなかったような記憶があるが…(といっても、四十年近く前の記憶だ)他の兄弟がなんとも暗いんだわ。だからルーシーの明るさが目立つわけだ。

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