映画・DVD評(邦画)

「男たちの大和/YAMATO」をみた

2010/12/21

戦艦大和といえば、誕生したときにすでに時代遅れであった史上最強の戦艦である。大和の誕生当時、海上戦の主役は戦艦から航空機へと移り変わっていた。当時の帝国海軍が戦術の進歩を忘れ、過去の大艦巨砲主義にとらわれていたために、大和が生まれたのだという。

私の少年時代はまだ少年誌に戦記物のマンガなども掲載されていた時代だったから、上記のようなことは比較的頭に入っているのだが、現代の若者たちはさて、大和をみてどう思うのか? 艦首に波動砲の砲口がないことに違和感を覚えるくらいではないのか?

大和搭乗の下士官や少年兵を主人公に、大和の最期を描く。反町隆史演じる森脇二主曹、中村獅童演じる内田二兵曹、松山ケンイチ演じる少年兵神尾の少なくとも三人が、ほぼ同等の主人公とみなせる。かれらを含め下級兵士たちが、生きて帰ることを考えない特攻作戦に巻き込まれていき、ある者は命を失い、ある者は生き残る。

あえていうと、何を語りたいのか、やや焦点がぼやけ気味な物語。戦争の悲惨さを描きたいようでもあり、また大和の悲劇的な最期をリアルに描写することに方向性が向いているようでもある。人間ドラマとしては淡々と進むのだが、どっちとしても中途半端。

下級の兵士たちを主人公としているせいか、大東亜戦争の意義であるとか、「国のために死ぬ」ことの意味とか、あまり大枠的なことは語られない。唯一、長嶋一茂演じる臼渕大尉が「日本は進歩ということを軽んじすぎた。日本は敗れて目覚めるしかない」と兵たちにさとすシーンがあるが(この言葉は大和の元乗組員の著書にある言葉であるようだ)これもどうも実感しにくい話である。

こんなんで、今の若者たちが理解できるのかなあ、と思った映画であった。

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