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「#おかえりモネ」をみた

前エントリーが「エール」だったから1年間があいている。
「おちょやん」については何も書かなかったなぁ。

さて「おかえりモネ」については、久しぶりに書きたくなった。

放映中は「視聴率が低い」「主人公が暗い」などいろいろとディスった記事も多かった。最終回を迎えた今はすごく持ち上げた記事が多いように思う。

私の率直な感想はこうだ。

意欲作だと思う。
久しぶりの現代もの朝ドラだということもあって、楽しく見せてもらった。

清原果耶の表現力のおかげで主人公のキャラクターも深みを感じた。
ちなみに主人公はおとなしいとは思うが暗いとは思わない。
もう少しコミカルな部分があった方が朝ドラらしいという気はしたが。

ただストーリー面では、詰め込み過ぎた感がある。

大きく分けると、この物語は
気象予報士としての職業ドラマ
百音と菅波の独特な恋愛ドラマ
百音と未知の姉妹相克ドラマ
東日本大震災の被災地気仙沼を舞台とした群像劇
などが含まれる複雑なドラマなのだ。

東日本大震災の被災後の物語というのがベースだと思うのだが、それと主人公が選ぶ気象予報士という職業の親和性が必ずしも高くない。

職業ドラマとして見ると特に終盤の展開が不自然だ。

気象予報士という職業を支えるだけの経済規模が気仙沼にはないだろう。

気仙沼という地元志向で主人公が地元へ帰って行く物語であるならば、地元で力を発揮できる職業を逆算で設定しておくべきだった。

あるいは、気象予報士は辞めて、気象の知識を活かせる地元の職業に就くという展開の方がよかったのではないか。

ビジネスドラマとして、終盤の展開があり得ない。
社員を単独で地元に帰して利益を上げられないまま放置しておく企業などない。

人間関係的に主人公が恵まれ過ぎているというのは許せるが、こういう非現実的な待遇を設定されると萎える。

気象予報士の物語は別にドラマ化してほしいんだが、その場合主人公の出身は台風や大雨で大きな被害を毎年のように受ける西日本の方が適しているだろう。

一方東日本大震災の被災地を中心とした人間ドラマは別の物語の方が適している。

特に主人公の幼馴染である及川亮とその父新次の物語は、この朝ドラの一部ではなくて独立した物語として見せてほしかった。

重厚な人間ドラマだから、朝ドラの一部であることがふさわしいとは思わない。

脚本を担当した安達奈緒子は、人間心理を繊細な台詞で描くことには長けているが、構成力という意味では力不足だったと思う。

コロナ禍による回数短縮も影響しているだろう。

本来ならAK(NHK東京放送局)制作の朝ドラは26週。130回のはずだ。
しかし前々作「エール」がコロナ禍で撮影ストップして再放送を余儀なくされた。そのため、後に続く作品は少しずつ短縮されている。

本作も本来130回で構想されていたはずだ。
それが120回となり、2週分短縮されている。

その余波が特に終盤の慌ただしさにあらわれていた。

序盤の登米編は本当にゆっくりのんびり始まったのに、終盤はバタついてしまった。バランスが悪い。

最近の朝ドラは、働き方改革とかで週5回放送になっている。
本作にかんしては週6回時代の全156回で見てみたかった気がする。

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