コンテンツ文化論 映像文化を語ってみる

3Dテレビはお茶の間に来るか?

2010/12/08

米CES(コンシューマ・エレクトロニクス・ショー)で各社が3Dテレビを発表したおかげで「今年は3Dテレビが来る!」という報道が駆け巡っている。

実のところ3Dテレビという発想はかなり古くからある。技術的にはそんなに新しいものではないし、商品化も過去何度かされている。にもかかわらず普及に至らなかった、というのはやはりいろいろな問題があるのだ。

3D映像は簡単に言うと両眼に少しズラした画像をそれぞれ見せることによって立体視させるものだ。今の3D技術では裸眼立体視はできず、専用のメガネをかける必要がある。

劇場映画は、少なくともその一部が3D化の方向に向かうことはまず間違いない。大画面ハイビジョンテレビやBlu-Rayの普及で、家庭内で高品質の映画コンテンツが楽しめるようになると、どうしてもその分劇場へ足を運ぶ観客の数が減少せざるをえない。そこを補うためには、3Dのような臨場感を付加価値として提供しなければならない。

つまり商業的な理由で、3D上映館が増え、3Dコンテンツが増えてくるのは目に見えている。

ところがテレビはどうだろう?

まず一般的なテレビ放送が3D化されることはまず考えられない。テレビの制作予算は年々低下の一途である。それでなくてもしばらく前に業界こぞってハイビジョン化への投資をしたばかりで、この上3Dで一般放送を制作できるわけがない。
ただし、ごく一部のドラマなどでは実験的放映はありうるかもしれない。

視聴者側としては、家庭でいちいちメガネをかけて視聴するような面倒なことはしたくないはずだ。

そう考えると、3Dテレビは主にBlu-Rayなどに3Dの映画コンテンツが充実してきた時には可能性がある。放送受像用というよりは、映画コンテンツの上映用である。
テレビメーカーとしては、すでに安売り対象商品となりつつあるテレビという商品に、なにがしかの付加価値をつけて高価格化したいはずだ。

しかし、これでもまだボリュームゾーンにはなりきれない気がする。住居スペースに恵まれない日本では、なかなかそこまでの上映環境を整えられる人は少ないだろうから。

家庭では安直な2Dハイビジョンで楽しみ、3Dで見たい時は劇場に足を運ぶ。こうしたスタイルがまず定着するのではないだろうか。

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