コンテンツ評論 テレビ番組評

「#あまちゃん: おら的ユイぶつ論~その4」

■アキとの喧嘩から見えてくるユイの深層

しかし、後悔はユイからやる気をすべて奪ってしまった。

東京へ行ってアイドルになることも、父親の介護も、ふたたび復帰することになった高校の授業も、まったく手につかなくなってしまう。
アキとの連絡も絶って、引きこもっていたが、家にいれば母親との思い出が浮かんできて、神経を苛む。
だから、家を出て町を徘徊するうち、ヤンキーコミュニティと出会ったのだろう。

そうやって、遠ざかれば遠ざかるほど、ユイの頭の中は消えた母親のことで一杯になったはず。

第91話。帰省したアキと海女カフェで対峙したユイは、口喧嘩になる。
この時のユイの言葉は矛盾に満ちている。
父は闘病中で、母は失踪。再発の危険性もある父の看病を兄ひとりにまかせておけない。
と言いつつ、家に帰っていないから正確なことは知らない、というのだ。
(このシーンとカットバックで梨明日に久しぶりにあらわれた功の健在ぶりが挿入される)

しかし、東京でよしえを見かけたアキの「お母さん、帰ってこないよ」という一言が、ユイの本心を露呈させる。
「帰ってくるよぉ、必ず」
母が帰ってこないのなら、自分が待ち続ける意味がなくなってしまう。
その思いが、ユイのかぶったシニカルさの仮面を剥ぎ取ってあらわれる。

その結果、お互いを否定する言葉をぶつけ合うことによって、ふたりは決裂するに至るのだ。

(Next : ユイは「冷めた」のか「諦めた」のか?)

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