CorelがInterVideoを買収

8月 31, 2006 on 9:50 am | In 平成徒然草 | Comments Off

Corelといえば「Corel Draw」や「Painter」などグラフィックソフトのメーカーであるが、どうしてもAdobe-Macromedia連合軍の前に立つと、二番手というか、中途半端というか、ちょっと軽い印象を持ってしまう感じだった。

MYCOMジャーナルが伝えるところによると、

加Corelは、米InterVideoの買収を正式に発表した。InterVideoの1株当たりUS13ドルが支払われるため、買収総額は約US1億9,600万ドル。今年第4四半期中に、買収手続きが完了する予定となっている。

Corelは、グラフィックススイートの「CorelDRAW」や、ペイントソフトの「Painter」シリーズなどで知られる。一方の InterVideoは、DVD再生ソフトウェアの「WinDVD」シリーズを始めとするデジタル動画対応製品で知られている。InterVideoは昨年、台湾Ulead Systemsの株式の大半を取得して、動画編集ソフトウェアの「VideoStudio」や「DVD Movie Factory」なども製品ラインナップに加えたとされ、HD-DVDおよびBlu-ray Discに両対応するソリューションの提供が可能とされている。

なるほど。Uleadと資本提携していたことは知らなかった。

グラフィックのCorel、動画再生のInterVideo、動画編集のUleadの3つのノウハウが結集されると、どんなソフトが生まれるんだろうね? もはや、Adobeの独壇場となったこの分野に、強力な二番手メーカーが誕生することになるんだろうか?

スポーツばかりでなく、企業にとってもライバルは重要だ。
独占企業は結局衰退すると思う。
ここはぜひ、Adobeにはまねの出来ない動画ソフトを生み出してほしいものだ。

MTV、動画サイトに参入

8月 30, 2006 on 12:47 pm | In ネットと映像の関係論 | Comments Off

まったくこの分野はニュースが尽きることがない。

CNET JAPAN
(フジサンケイ・ビジネスアイ)が伝えるところによると、

 音楽チャンネル「MTV」を世界179カ国で展開する米MTVネットワークスは29日、日本法人を完全子会社化するとともに、今秋から動画を中心にしたSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)を日本で初めて本格的に開始すると発表した。
(…)MTVネットワークスは、音楽番組「MTV」や同社が提供する子供向けアニメ番組などを無料で配信する動画配信サイト「FLUXブロードバンド」の提供をMTVジャパンを通じ、世界に先がけて日本で今秋から本格開始する予定だ。
(…)本格サービスでは、MTVやアニメ番組、さらに個人などが投稿した動画を自分のページにリスト化し、それを友人などと共有できる動画を中心としたSNSとする方針だ。

IT企業はもちろん、フジテレビ、NTT、米Sony Pitures…、と各種ジャンルの大手企業が相次いで参入しているこのジャンルだが、音楽映像の代名詞ともいえるMTVが参入してくるか、しかも地元をさしおいてこの日本で。

YouTubeなどで日本人が大手を振ってどんどん動画を投稿してくるのを見てのことかもしれないが、なんか凄いことになりそうな予感もしてくる。

問題は、どのサイトを見てもフレームワークを提供するだけで、具体的にどんなコミュニケーションを展開させたいのか、ビジョンを語っていないところだな。たぶん語るべきビジョンを持っていないから、ユーザー任せにして様子をみる計画なんだろうけど。

ソニー動画サイトの未来形2

8月 29, 2006 on 2:48 pm | In ネットと映像の関係論 | Comments Off

ソニー動画サイトの未来形」を書いたあとで、ACIDという音楽制作ソフトをいじっていて、ふと気がついた。すでに、ソニー系列には先例があるのである。

ご存じない方のために、説明しておく。ACIDというのは一般にループシーケンサーと呼ばれている音楽制作ソフトの元祖である。ループ(繰り返し可能な音素材)をタイムライン上に貼り付けるかたちで音楽を作る。実際に音を聴きながら、重ねていくので、音楽理論を知らない人でも、感性にまかせて比較的簡単に楽曲らしいかたちを作れる。

このソフトは、もともとSonic Foundryという会社の開発していた製品だったが、ソニーに会社ごと買収され、現在ではSony Media Softwareと改名している。

ACIDにはもうひとつの特徴がある。ACID Planetという、誰でもACIDで作った楽曲を公開できるサイトに、直接アップロードが行えるということだ。ACID Planet上では有名アーチストのリミックスコンテストなどが行われている。

これは音楽版の投稿サイトと見ることができる。基本はソフトの販促のようにも思えるが、YouTube型の動画投稿サイトにきわめて近い立ち位置と思える。

ところで、Sony Media Softwareにはビデオ編集ソフトもある。Vegasという製品である。

そういうふうに考えるなら、ソニー系列にはすべてが揃っている。ビデオカメラ、PCハードウェア(VAIO)、ビデオ編集ソフト、映画などの動画コンテンツ、コミュニティ型投稿サイトの運営ノウハウ、そして今Grouperを買収したことで動画投稿サイトのノウハウも加わった。

これらを生かすも殺すも、経営者のセンスしだいである。現在のところ、それぞれグループ内の別々の会社が運営しているわけで、それを一カ所に統合することは結構困難そうにみえる。

単にYouTube追撃や映画コンテンツ配信だけととらえるなら、そこからソニーらしさは生まれてこないだろう。真に「ソニーらしい」サービスが、生まれるかどうか、期待してみていよう。

「アンダーワールド2 エボリューション」をみた

8月 29, 2006 on 6:12 am | In 映画・DVD評(洋画) | Comments Off

アンダーワールド」の続編。前作の終了時点からを描く。

冒頭、吸血鬼(ヴァンパイア)族と狼男(ライカン)族の対立の根源となった11世紀の出来事が描かれる。最初のヴァンパイア、マーカスと、最初のライカン、ウィリアムは双子の兄弟であった。災厄を避けるため、ウィリアムはどこかに幽閉されてしまう。

主人公であるヴァンパイアの女処刑人セリーンは、前作の最後でヴァンパイアの首領であるヴィクターを倒したことによって、両族から追われる身となる。味方は前作の最後でヴァンパイアとライカンの混血種となった恋人マイケルのみ。その一方で、マーカスが復活し、ウィリアムを捜し始める。

何しろ、主要登場人物はほとんどが11世紀から生きてる。それよりちょっと若いセリーンでも600歳だ。皆さん、すごくお達者。

それにみんな化け物揃い。前作では唯一人間だったマイケル君も、今回は混血種として変身しながら戦うし、セリーンも姿かたちは変わらないものの、パワーやタフネスはもはや人間離れ(吸血鬼ばなれ?)してしまってる。最初のヴァンパイア、マーカスの変身した姿(というよりこっちが本来の姿?)はとっても不気味。

吸血鬼が主人公のため、ほとんどが夜のシーンで暗い画面なのだが、黒つぶれすることもなく、見やすくてよかった。

ソニー動画サイトの未来形

8月 28, 2006 on 4:15 pm | In ネットと映像の関係論 | Comments Off

CNET JAPANのスタッフブログに『ソニーが米の動画共有サイトを買収–期待したい「ハードウェアとの融合」』というエントリがあり、こんな意見が見られた。

個人的にひとつ期待したいのは、ソニーならではの「ハードウェア」との融合–つまり、ハンディカムにアップロード専用のボタンを付け、(USBもしくはWi-Fi経由でネット接続している状態で)それを一押しするだけで、ビデオがGrouperに転送され公開される、という機能。

(…)こうした「上り」の経路を用意し、草の根の力を利用してこそビジネスのおもしろさが生まれるのではないかと思える。

私も以前「ビデオカメラはどこへ向かう?」というエントリで、似たような文章を書いた。(その時はまだソニーがこうしたサイトに手を出すとは思ってもみなかった)

CNET JAPANの筆者は「ビジネスのおもしろさが生まれる」と期待を寄せているが、私はむしろ「映像文化の新しいページが開かれる」と考えたい。もちろん、ビジネス的にもおもしろいことになるとは思うが、何かというと経済的な視点ばかり話をするのは悪い癖だと思う。

ビデオカメラは、映像を描くための道具である。たとえてみれば、絵の具や絵筆と同じだ。絵の具や絵筆を売るためにはどうすればよいか? 絵画という文化を尊重し、文化を振興してこそ、その市場がある。ここで話題にしている動画サイトも、映像の文化を振興するための道具としてとらえてほしい。

たとえば、201X年。ソニーのビデオカメラを買うと、動画サイトへの加入権がついてくる。ビデオカメラをテレビに接続し、無線LANとの接続を開くと、動画サイトがテレビ画面に表示される。登録をすませれば、世界中の誰かが投稿したビデオを自由に見ることができる。

プロもたくさん投稿していて、中にはビデオジャーナリストが直接世界中から投稿してきたニュース映像などもある。なぜなら、たくさん視聴されたコンテンツには、それなりのペイバックがあるからだ。

もちろん、自分で撮影した映像をテレビ画面上で簡単に編集し、ワンボタンでアップロードすることができる。投稿した映像がおもしろいものなら、それが簡単に副収入になるのだ。

こうしたインフラを背景として、この時代には新しい映像文化が築かれている。映像を自分で制作して簡単に配信できる、このためビデオジャーナリストやビデオクリエーターは自称の人も含め、増加の一途にある。ビデオカメラも当然売れている。

こういう未来図を描いてはいけないだろうか。(なんとなく、メーカーのユーザー囲い込みにも見えるが)

「ファイナルファンタジーVII~アドベントチルドレン」をみた

8月 28, 2006 on 12:00 am | In 映画・DVD評(邦画) | Comments Off

「ファイナルファンタジー」といえば、ロールプレイングを代表するゲームのシリーズといえる。印象としては、純RPGというよりアドベンチャーゲームの一種といった感があり、戦闘や謎解きを繰り返してキャラクターを成長させつつ、解きほぐれてくるストーリーを辿っていく映画的なゲームだと思う。

FFVIIは、FFシリーズがはじめてプレイステーションをプラットホームにした時の作品だから、相当前のゲームである。私も一応最後までプレイしたことがあるのだが、登場人物やストーリー展開などは、すでにうろ覚えになってしまった。

で、これはそのゲームの続編というか後日談として作られた、映画作品である。オリジナルのゲームはPSだから、三頭身キャラがチョコマカ動く絵で、挿入されるプリレンダードのCGムービーがちょっとリアルだった。

この映画はフルCGだが、さすがに当時とはCGのレベルが違う。実写並みにリアルだ。人物の動きはモーションアクターを使っており、非常に自然に見える。ところが、どうしても違和感を拭えない部分がある。それは顔だ。これだけ技術が進んでも、表情だけはあまりリアルには作れていない。それを自覚していないのか、アップが多用されており、演出的に避ける工夫はされていない。

ストーリー的にはゲームの後日談であり、あきらかにゲームのプレイヤーを対象として作られているせいか、説明不足が目立つ。主人公クラウドを苦悩に陥らせている原因はゲームにあるし、ストーリーのバックグラウンドとなるジェノバ計画への知識がないと、話がよく見えないのだ。

たしかに最後までプレイしたはずの私ですら、よく覚えていない位以前のゲームである。ゲームのストーリーをプレイバックさせて、理解させる工夫は欲しかったところだ。

東京MXテレビがYouTube他で番組配信

8月 25, 2006 on 12:00 am | In ネットと映像の関係論 | Comments Off

すごい勢いでニュースが生産されつつあるこの分野だ。

MYCOMジャーナルが伝えるところによると、

 東京のUHF局・東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)が8月末から、テレビで放送した番組を、YouTubeなど米国の3つの動画配信サイトに公開する。東京ローカルの同局だが、ネット公開で視聴エリアを世界に広げ、新たな視聴者層を獲得する狙いだ。
(…)配信するのは、毎週金曜日午後10時から生放送している30分間の情報番組「BlogTV」。人気ブロガーのインタビューや、ブログ関連の話題などを紹介する番組で、すでにYouTubeでリハーサルの様子などを公開しているが、番組本編も公開する。8月25日放送分から公開を始め、過去の放送分も順次公開していく計画だ。

 出演者や各回のゲスト、スポンサーにネット配信の許諾をもらうなどして権利処理し、CMを抜いた上で配信する。

うーん。MXならでは、という気がするが、テレビ局みずからがYouTubeなどに投稿するかたちで番組配信するとは思わなかった。考えてみれば、これが一番配信コストがかからない上に、宣伝コストも不要なやり方である。地方の民放なども、ローカル番組をこういうかたちで配信すると、出身者などに郷土の情報を届けることができるのだが。

可能なら、DivX stage6にも配信してほしいなあ。あちらのほうが抜群に絵がきれいだから。

しかし、ある意味これって「放送と通信の融合」というか「放送と通信のもたれ合い」では?

米ソニーが動画投稿サイトを買収

8月 24, 2006 on 8:55 am | In ネットと映像の関係論 | Comments Off

二日つづけて同系統の話題だが、この分野がいま一番ビビッドに動き続けているので、次々とニュースが出てくるから仕方がない。

フジテレビが「ワッチミー!TV」で動画投稿サイトの運営に乗り出したことは記憶に新しいが、今度は映画会社が同様の行動に出た。

ITmediaニュースが伝えるところによると

 米Sony Pictures Entertainment(SPE)はユーザー投稿型ビデオ共有サイトのGrouper.comを6500万ドルで買収したと8月23日、発表した。 Grouper.comは米Grouper Networksが運営する、YouTubeに似たユーザーによる動画投稿を共有するスタイルのサイト。動画はPCで視聴できるほか、PSPやiPodへのダウンロードもできる。

 Grouper.comは独立系のビデオ共有サイトとしては2番目の規模だとSPEは説明。Grouper Networksの経営陣はそのまま引き継がれ、SPEと密接な活動を取っていくという。

私も、Grouper.comというのははじめて聞いた。YouTubeも独立系だろうから、一番目はYouTubeじゃないかな。

CNET JAPANが伝えるところによると

 トラフィック測定企業Hiwiseが2006年5月に発表した調査結果によると、GrouperはUGC(User Generated Contents)ビデオを提供する企業のなかで、8番目の地位につけているという。

独立系というのを外すと、8番手に落ちるらしい。

しかし、テレビ局や映画会社というのは、普通に考えるとユーザー投稿型の動画サイトとは利害が背反する関係ということになる。それがこのように興味を持っているということは、ビジネス上のシナジー効果を認めているということだろうか。

一方、まったく静観しているのが、ビデオカメラなどのメーカーだ。コンテンツ系の企業にくらべて、サイト運営などに腰が重いのはわかるが、本当のシナジー効果があるのはカメラや編集ソフトのメーカーだと思う。

MYCOMジャーナルが伝えるところによると、

「消費者はGrouperのようなサービスで多くの時間を費やすようになっており、世界最大規模のエンターテインメントクリエーターの1つとして、オーディエンスが集まる場所に存在したいと考えている」とSPEの会長兼CEOであるMichael Lynton氏。「Grouperコミュニティの多くのメンバーがSonyのカメラでビデオを撮影し、VAIOやSonyのモバイル機器で楽しんでいる。 GrouperをSony Pictures Entertainmentに組み込むことで、完璧な輪を作れるはずだ」と述べる。

なるほど、ソニーはビデオカメラのメーカーでもあったのだな。(忘れるなよ)
将来的にはソニーのビデオカメラから直接Grouperに動画をアップできるようになるのだろうか?

韓国テレビ局の試み

8月 23, 2006 on 9:12 am | In ネットと映像の関係論 | Comments Off

ここへ来ても、オンライン映像サービスについてのニュースが途切れない。
多くは、動画投稿・共有サービスの開始についてである。

CNET JAPAN(8/22)が伝えるところ
によると、

 えびテレビは8月22日、動画共有サイト「EbiTV!」を一般公開し、本格的にサービスを開始すると発表した。

 EbiTV!は個人が撮影した映像を投稿できる動画共有サイトだ。無料のユーザー登録をすれば、1ファイル100Mバイトまでの動画をアップロードできる。現在、合計アップロード容量は無制限となっている。動画はニュースやスポーツ、ペットなどのカテゴリを設定してアップロードができるほか、アップロードしたユーザー以外には公開しない、プライベートモードも用意する。

IT Pro(8/18)が伝えるところによると、

 ビック東海は2006年8月18日、動画を投稿、共有できるコミュニティサービス「みなくるビデオ」のベータ版を開始した。

 利用するには無料登録が必要。登録をすると最大100MBの自らの動画コンテンツを公開できるマイページを持てる。1ファイル当たりの容量制限は最大 10MBまで。アップロードできる形式は現時点ではWMV形式のみ。公開されている動画コンテンツに対して、コメントを投稿したり、評価したりできる。

これらのサービスを詳細にみたわけではないが、ほとんどYouTube追従型とみられ、先行サービスに対抗するための明確なアピールポイントは薄いように思う。

ところで、投稿系ではないが、面白いサービスの試みがはじまったようだ。それも、日米ではなく韓国での話である。

MYCOMジャーナルが伝えるところによると、

韓国のSBSiは22日、民放放送局の「SBS」Webサイトにある放送コンテンツを、ユーザーが自由に編集できる「NeTV」の本サービスを開始した。SBSiは、SBSのデジタルメディア関連の業務を担当している企業だ。
(…)
NeTV の最大の特徴は、SBSサイトにある全ての映像および画像などの放送コンテンツを、ユーザーが好きなように編集できるという点にある。Webサイト上で利用する編集ツール「NeTVスタジオ」を利用し、映像同士を切り貼りしたり、映像や画像に効果を加えたり、字幕を挿入したりといった編集作業を楽しめる。

日本でもフジテレビが系列会社による「ワッチミー!TV」の運営に乗り出しているが、こちらの試みのほうが自然である。なにしろ、テレビ局は動画コンテンツを豊富に持っている。それを放送やDVD出版などばかりでなく、ネット上でもユーザーが利用できるようにするほうが、ユーザーから投稿をつのるよりは自然だろう。

気になるのは有償か無償かという点である。

利用料は動画の閲覧料による。つまり動画が無料で公開されている場合には無料、有料で公開されている場合には有料で編集が可能ということになる。

そして、ここで編集した動画はNeTVサイト内にある「マイギャラリー」に保存されるので、他のユーザーたちに向け公開することもできる。SBS以外の Webサイトでの公開は不可能だが、映像の場所を示すURLをコピーして外部サイトからリンクすることなら可能となっている。

YouTubeのようにタグを発行して外部サイトに貼り付けることは不可能なのが残念である。

これからのテレビ局は、放送した映像を何らかのかたちで再利用することが常識となるだろう。すでにドラマ等はDVDとして出版されることが当然となっているが、バラエティや生活情報番組など、一過性のものに関しても、しばらくの期間はネット上で公開していいのではないだろうか。

いや、画質等に明確な差別化をすれば、ドラマ等も放映後しばらくの間ネット上での公開を行うようにしてもいいのではないだろうか。期間はたぶんDVD発売まで、ということになるだろうが。

そうすれば、たとえば連ドラを一話分見損ねただけでストーリー展開がわからなくなり、興味を失うといったロスを防ぐことができる。有償にして会員制にするなどすれば、費用の回収もできる。

日本のテレビ局もYouTubeなどに対して削除要請ばかり出していないで、そうしたユーザーのニーズが存在することに向き合って考えるべきではないだろうか。

経産省が作る仮想映像センターとは

8月 22, 2006 on 12:00 am | In ネットと映像の関係論 | Comments Off

なにやら経産省が映像コンテンツの振興に乗り出すというニュースが入ってきた。

フジサンケイ・ビジネスアイが伝えるところによると、

 経済産業省は、新人映画監督や無名のアニメ作家などの作品を、インターネット上で映画製作会社や配給会社など事業者向けに紹介する「仮想映像センター」を新設、運営に乗り出す。同省は来年度予算で、映画などコンテンツ(情報の内容)振興策として数十億円を新たに要求する方針にあり、その目玉事業になる。

 仮想映像センターを新設するのは、コンテンツ関連業者が新人クリエーターや映像作品を発掘するのを支援するのが狙い。映画監督を目指す人の作品などを電子情報として収集、データベース化し、制作会社や配給会社の担当者らがネット上で閲覧、興味を持ったクリエーターなどにアクセスできるようにする。

たしかに国がこうした振興策を出してくることは喜ばしいことではあるが…。

今なら映像クリエーターもYouTubeやDivX stage6などの動画投稿サイトを通じて自分の作品を自由にアピールできる時代である。こうしたデータベースがどれほど効果を発揮するのか、気になるところである。

えてしてお役所仕事というのは、とりあえず作りました、というところで止まっていることが多い。予算を取ることが目的だから、作ったものが利用されているか、効果を発揮しているかどうかには無関心ではないだろうか。

データベースを作ることはよい。しかし、はたしてどれくらいのクリエーターが登録するのか、どれくらいのコンテンツ事業者がそこにアクセスして情報を引き出すのか、ということだ。このふたつが揃わなくては、おそらく税金の無駄遣いに終わる。

同記事にはこうもある。

 こうした構想が生まれた背景には、映画などコンテンツの制作現場や資金調達の仕組み、現在の配給システムなどが硬直化していることがある。収益性を重視し、著名な映画監督などに制作発注が偏るなど、新人を育成する余裕がなく、結果としてコンテンツ産業の国際競争力が低下しているとの指摘がある。

このデータベースが育成に何かの寄与をするか、というとほとんど皆無だろう。

なぜならば、このデータベースは基本的にマッチングシステムでしかないからだ。すでに商品となりうる人材でなければ、データベースに登録しても意味がない。このデータベースは、自分で育った人にのみ役に立つのである。

こんなことより、国にはもっと根本的にコンテンツ制作者の育成についての施策を考えてほしい。それは教育のシステムの問題でもあり、文化の問題でもある。こうなると、問題は経産省の領分をはるかに超える。

コンテンツ振興の問題は、経済のみならず、通信・放送はもちろん、文化や教育にまで広がる大きな問題である。他の問題とも合わせ「スポーツ&コンテンツ省」というような新設の部署があってもいいのではないかと思うのだが。

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