映像文化を語ってみる

映像文化復権元年(9)

2010/12/12

それでは、映像制作の世界をどうにかするのには、どうしたらいいのか。
単純にいうと、映像制作についての知識やノウハウを流動化させる、ということが望ましい。

現代の社会的構造では、知識やノウハウが固定化しやすくなっていると思う。

いわゆる「マニュアル世代」の登場だ。マニュアルに固定化されている知識やノウハウでないと受け付けない。人から知識やノウハウを教えてもらうことを、あまりよしとしない。人との交流は、もっぱら楽しみのためで(だから同年配、同人種との交流を好む)、勉強や修行のための交流というものをあまり求めない。

映像制作業界は、ある意味職人的な世界で、私がその世界に入った頃はまだ徒弟制度に近いような雰囲気が残っていた。会社になっていても、特定の先輩を師匠と仰ぎ、アシスタントとして仕えることによって、仕事を覚えていく。「習うよりも盗め」に近い雰囲気があったのを覚えている。さいわい、私の場合はやさしい先輩が多かったので、いろいろなことを教えていただいたのだが。

いわば、そういう師弟関係によって、知識・ノウハウの伝達が行われていたのだ。しかし、もうそんな知識・ノウハウの伝達は姿を消して久しい。

そういうものに変わる、何か別な伝達形態が必要だと思いついた。

-映像文化を語ってみる
-