コンテンツ評論 テレビ番組評

「救命病棟24時(シーズン4)」をみた

2010/12/11

救命病棟24時もシーズン4を迎えた。今回のテーマは「救命崩壊」。

現代の医療問題に切り込んだ内容だが、やはりどうしても医療現場でのドラマのほうに重点を持って行かれてしまう。視聴率に縛られる連ドラの宿命か。現実の医療現場でリアルに問題となっている事象をテーマに取り入れるということで、話題性だけを狙ったように思えてしまう。

あいかわらずカッコつけの江口洋介演じるスーパードクター進藤一生に対して、ユースケ・サンタマリア演じる澤井医局長というアンチテーゼ的キャラクターを配したことが今シリーズの目玉といえるだろう。(タレントとしてのユースケとは打って変わった抑えた演技で、俳優としての成長が伺える)

自分を犠牲にしてもとにかく目の前にいる患者をすべて受け入れ命を救おうとする現場至上理想主義の進藤に対して、医療スタッフの負担や医療過誤の可能性を減らすために患者の受け入れを制限することもいとわない澤井の大局的現実主義の対立。
しかし、それをメインテーマとしてはエンターテインメントとしての救命病棟ファンの期待を裏切ると考えたのか、従来型医療現場ドラマの背後にちらちらさせる程度にとどまっている。
その加減がとっても中途半端。

具体的には、3話くらいから舞台である高度救命救急センターの布陣が固まったように見えて、従来の救命病棟パターンのドラマが続くようになる。いったんは救命医が全員辞職してしまったという崩壊した現場なのに、ありえなくはないか。
医師たちはそれぞれに問題を抱え結束を乱すのに対して、看護師たちは比較的平静に行動しているように見える。本当は真っ先にそちらに負担がかかって、離脱者が出そうなものだが。

問題提起としては現実をうまくなぞってドラマタイズしているが、解決のきっかけは何もない。まあ、ヘンに解決っぽいものを見せてしまうよりはマシかもしれない。

最終話に至って、澤井は日本の救命医療を改革すべく医療現場を去る。進藤は(これまでのシリーズではだいたい最終話で進藤はその現場を去るのがパターンだったが)救命にとどまって治療を続けることを選択する。そして、その両者の間にある種の友情が芽生えたような雰囲気が漂う。…ってこれ、フジテレビの人気ドラマで以前に見たような関係だな。

そう。「踊る大捜査線」での青島刑事と室井管理官じゃないか。さすが、フジテレビ。ツボは押さえているようだ。

冬にスペシャルドラマの放映が予定されているようだが、勝手にこんなスペシャルはどうか、と構想してみる。

独立行政法人「救命改革機構」の常任理事となった澤井がそこでは主人公となる。そして、背景は政権交代だ。新政権は天下りの受け皿となる独法改革に熱心で、澤井が救命改革の拠点としているこの法人にも、お取りつぶしの手が伸びる。
新厚労相長妻氏を彷彿とさせる、ジャーナリスト出身の新任厚労相が澤井の敵役となり救命改革機構の必要性を問う。澤井はもちろん、日本の救命医療がおかれている状況を訴える。

いっぽう、海南医大の進藤たちには、もうひとつの危機が訪れる。それは…?

それはまだ考えてない。

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