コンテンツ評論 テレビ番組評

「コンフィデンスマンJP」をみた

刑事ものや医者ものは連続ドラマでは定番だが、詐欺師を主人公にした連ドラはあまり聞いたことがない。

これは、やはり詐欺(コンゲーム)を1話ならまだしも、10話も一度に考えるということの難しさをあらわしている。刑事ドラマのように、主人公グループのキャラクターと事件の概要さえ整えれば1話完成、とはいかないのだ。

もうひとつの難しさは、詐欺ものは「視聴者をも騙す」という側面がある。コンゲーム映画の古典「スティング」でもそうだったが、詐欺グループの視点で犯行を追っていくと、あれあれという結果に至る。そこからもう一度ひっくり返し、ずっと見てきた視聴者すら驚くような結末へと導くのが、コンゲームものの醍醐味だ。

それを1話ならまだしも、連ドラで10話も続けるというのは並大抵のことではない。本作の脚本は手練れの古沢良太。よく思い切った企画にチャレンジしたな、と思う。

もちろん厳密にいえば、各話の出来には差があり、なかなかやるな、という回とイマイチと思う回が混在した。しかし、各話ともしっかり何かどんでん返しが仕掛けられていて、しかも同じパターンにはまらないように作られていたのはさすがだ。

主人公、ダー子、ボクちゃん、リチャードの3人組のキャラクターも面白いが、やっぱり特筆すべきはボクちゃんだろう。詐欺師でありながら、騙すことにためらいを感じる彼は、視聴者に近い存在である。そして、多くの場合、ボクちゃんはダー子たちに騙されることによって詐欺に荷担する。

一方で少し描き足りなかった感があるのはリチャード。彼が主導して仕掛ける回があってもよかったんじゃないかと思う。一番ベテランっぽいのに、意外と地味。

ダー子を演じた長澤まさみに関しては、もう完敗。ハイテンションな演技を披露して今後に影響はしないのか心配になる。

映画化するらしいが、何年か充電したあとシーズン2を見せてほしいドラマである。

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