コンテンツ評論 テレビ番組評

「黒井戸殺し」をみた

2015年に放送されたスペシャルドラマ「オリエント急行殺人事件」で名探偵勝呂武尊は、日本版エルキュール・ポワロとして登場したわけだが、同じアガサ・クリスティー原作、三谷幸喜脚本のスペシャルドラマとしてかの有名な「アクロイド殺人事件」がお目見えした。

前作「オリエント…」が昭和8年の設定、今作は昭和27年の設定で、勝呂武尊は探偵を引退して、田舎に引っ越しカボチャ作りに熱意を捧げている、というまさに原作どおりの設定。それにしては、20年ぶりなのに老けてないな、というのは置いとこう。

ミステリを囓った人ならば必ず読んでいる叙述トリックの名作が原作なので、犯人はたいていの人が見当ついていると思う。また推理の道筋には特に凝った部分もないし、ミステリ「風味」のドラマとして楽しむのがよろしかろう。配役は豪華だし、映画なみの映像で、見応えはたしかにある。

私としては、もう一度見てみたいと思った野村萬斎の勝呂武尊が見られたので満足だったが、それにしても3時間を越える放送時間はどうだったか。2時間枠に収めたほうがシャープでよい作品になったのではないだろうか。

よく知られた本格ミステリの名作を脚色するということで、三谷幸喜らしい台詞回しや、ちょっとしたコメディ風味を楽しめるが、それにしても後半、ダレを感じるのはしかたがなかったのか。

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