コンテンツ評論 テレビ番組評

「おんな城主直虎」をみた

2017/12/19

大河ドラマの戦国時代ものというと、大大名を主人公にするのが定番だったが、最近はそれも変わってきたようだ。

昨年の「真田丸」は、講談で真田幸村として有名な真田信繁を主人公としていたとはいえ、信州の小領主である真田家の物語であった。

本作は井伊直虎という、一般的には無名に近い人物を主人公としている。井伊といえば江戸期の彦根領主というイメージで、そのルーツが浜松にあるとはまったく知らなかった。まして井伊直虎のことは初耳だった。

だからまったく期待はせずに見始めたのだが、これが意外に面白かった。むしろ、語り尽くされた感のある戦国絵巻とはまったく違った物語だった。自力では戦国を生き抜くことすら難しい小領主が今川や徳川といった大大名の傘下にありつつも、さまざまな駆け引きで生き延びていくストーリーだ。戦国ものには珍しく合戦シーンがほとんどない。

実は、当初の一ヶ月、主人公の少女時代はジブリ作品のようなファンタジー色を感じていた。それが長じて主人公が女ながらに領主の地位につくことになると、現代でいえば中小企業の経営者のようでもある。

実在の人物をモデルにしているとはいえ史料はごく限られていたという。脚本の森下佳子のオリジナルに近い物語だが、その腕が遺憾なく発揮されたドラマだといえるだろう。

戦国時代にはまだまだ隠された物語がたくさん眠っているのではないだろうか?

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