コンテンツ評論 テレビ番組評

「#コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命 THE THIRD SEASON」をみた

「コード・ブルー」7年ぶりの復活。
白石恵たちかつてのフェローも2ndシーズンから7年歳を重ねている。

かつての人気シリーズの復活であり、しかも「逃げ恥」で絶好調のガッキーの起用。たしかに視聴率的には当たり、今クールのフジテレビの唯一といっていいヒット作になった。

一方で、このドラマは今のフジテレビドラマの悪いところを露呈させたように思う。

藍沢、白石、緋山、藤川というかつてのフェロー(後期研修医)たち。今ではそれぞれ一人前の医師となっている。フライトナースの冴島も含め、この5人が1~2シーズンの主人公グループだ。

1~2シーズンの「若い医師が苦悩しながら成長」のプロットは、主人公たちが一人前になってしまった7年後を舞台にしては作れない。そこで、彼らを指導医に据え、新しいフェローたちを育てることになる。名取、灰谷、横峰の三人のフェローと、新人ナースの雪村が新たに主人公グループに加入した。

オリジナル5人の主人公グループのそれぞれに個人的エピソードが語られる。(藤川と冴島は夫婦となることによって、共通のエピソード化されたが)さらに新しいフェローたちの成長のエピソードが加わる。

もともと「コード・ブルー」は群像劇だが、さすがに9人それぞれにエピソードがあるのは多すぎる。さらにここに救命部長となった橘と三井夫婦とその息子(重い心臓病)というエピソードまで加わる。

エピソードの数が多すぎて、毎回話が散漫になりすぎたのが今シーズンだ。もちろん、ひとつひとつのエピソードの掘り下げ方も足りない。

もうひとつの問題。

「コード・ブルー」に先行してフジテレビには救急救命センターを舞台とした「救命病棟24時」という医療ドラマのシリーズがある。当然「コード・ブルー」はこれを踏まえて作られた。

それがドクターヘリを中心としたストーリー。ドクターヘリは医師を迅速に事故などの現場に派遣し、初期の治療やトリアージを行なうためのツールだ。

当然、1~2シーズンは若かったフェローたちが過酷な事故現場に派遣され、そこでの経験を通じて成長する物語となった。

それが、今シーズンではヘリの出動シーン、事故現場での医療シーンが極端に少ない。代わりに病院内でのエピソードが中心となった。

とある記事によると、今シーズンの予算は、1~2シーズンに比べて減らされているのだという。

山下智久やガッキーなど主役を演じる俳優たちも、最初のシーズンではみな若手ばかりだったが、今では芸能界でそこそこのポジションに成長している。当然出演料も上がったことだろう。それに加えて若手の俳優を投入していることで、出演費は相当かさんでいると思う。

そこで、飛ばすたびに費用のかかるヘリシーンや、大規模な事故のセットは削減することになったのではないか。シーズンのはじめに「今回は人間ドラマに力を入れる」というような前触れがあったけれども、それはこうした予算の縛りから、金のかからない恋愛も含めた人間ドラマに舵を切らねばならなかったのではないかと思う。

ドクターヘリが飛んだ(シーンが挿入された)としても、患者の搬入手段としてだけで、実際のドラマが病院内だけで展開するのでは、「コード・ブルー」らしさというものはそこにはない。患者を搬入したのがヘリか救急車かというだけで、実質「救命病棟24時」の別パージョンのようなものだ。

今回脚本が1~2シーズンを支えた林宏司氏から安達奈緒子氏に変わった。
これはあくまで私の憶測だが、こうした姿勢に林氏に協力を断られた結果ではないか、という気さえする。

「コード・ブルー」らしさを大切にするのなら、あえて登場人物を減らしてでも予算を確保して、少しでもヘリや事故のシーンを増やすべきだった。
たとえばフライトドクターは白石と藤川だけにして、藍沢や緋山はそれぞれの専門を生かしてサポートするゲスト扱いにするとか。

しかし、それをしなかったところにフジテレビの悪いところがあるような気がする。キャスティング先行の企画。まず出演者の顔をそろえることを優先してしまう。企画の本質を見ようとしない。

「コード・ブルー」は3rdシーズンをベースとして映画化するようだ。映画ということで少しは予算を注ぎ込めるのだろうか? またしてもエピソードばかり多くてまとまらない人間ドラマだろうか?

 

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