コンテンツ評論 テレビ番組評

「#ひよっこ 行方不明の父親見つかる」

そもそも「ひよっこ」の第一週は稲刈りの風景からはじまった。出稼ぎに出ていた父親谷田部実が稲刈りを手伝うために一時帰郷していた。そうしたつかの間の親子のふれあいから描き始められたのが「ひよっこ」の物語だった。

ところが東京に戻ってすぐ、実は行方不明になってしまう。もともとは農業も奥茨城村も好きで、高校卒業後は実家の農業を手伝おうと思っていた主人公みね子は、上京を決意する。

さしてドラマチックでもない日常生活をていねいに描くのが本作の特徴だ。みね子の動機も東京で父親を探そうというものではなく、父親の代わりに働いて少しでも家族に仕送りをしようというもの。だから、父親探しは特に物語の焦点ではなく、トランジスタラジオ工場に就職したみね子の日常が淡々と描かれていった。

このまま最終週あたりで父親が見つかる展開かと思っていたところ、残り2ヶ月というところで急展開があった。たまたまみね子の働くすずふり亭を訪れた人気女優川本世津子がそのキーマンだった。実は、強盗に襲われて有り金すべてを奪われた実は記憶を失い、呆然としていたところを世津子に声をかけられ、助けられる。そのまま、実は世津子の家にずっと居続けていたらしい。

たまたま生CM出演の代役に担ぎ出されたみね子とテレビ局で再会した世津子は、実がみね子の父親であったことを知る。そしてみね子と実を引き合わせる。実はみね子が自分の娘だと言われても戸惑うばかりだったが、妻美代子が上京したのをきっかけに世津子の家を出て、みね子とのふたり暮らしを経て奥茨城村に帰還する。折しも、季節は田植えの時期。みね子もまじえ全員で田植えをするシーンで、実を安心して故郷に残していけると思ったみね子は、ひとり東京に戻った。

記憶喪失というのは、昭和のドラマであまりにも多く使われた手法だ。そのせいか、途中で実が強盗に殴られた事実が語られた時は、さっそくTwitter上で記憶喪失だという憶測が語られたし、川本世津子がみね子の茨城訛りを気にした時は「世津子は実を保護している。だから実の言葉がどこの訛りか気にしていたんだ」という推理がさっそく飛び交っていた。

結局、それら視聴者の推測はほぼ当たっていたわけで、「ひねりはないのかよ」とも思うが、このストレートさが朝ドラらしさなのかも。

実と世津子の関係は有耶無耶にされたままだし、実の記憶はまだ戻ったわけではない。これからも「ひよっこ」の物語は続くので、どのように展開していくのか見守っていきたい。

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