コンテンツ評論 テレビ番組評

「CRISIS ~公安機動捜査隊特捜班~」をみた

関テレ制作、小栗旬と西島秀俊のダブル主演の警察ドラマ。

ただし、警察といっても刑事ではなく、公安警察である。
ドラマにおいては、だいたい刑事警察はヒーローで、公安警察はヒールであることが多いが、このドラマでも公安はダークな存在として描かれている。

とはいっても、主人公グループの特捜班は純粋にヒーロー扱い。それぞれ過去と特殊な能力を持つ5名の捜査員という構図は海外ものにも登場する構図で一般的。彼らがテロリストなどに対する姿勢は真摯なものだ。ただ、背景にある組織としての公安は、正義というよりは国家、権力者の維持を明確にする。

その結果、どのエピソードも後味の悪い、権力者たちの都合で動かされたという幕切れになっている。

気になった記事。

なぜ「ヒーローもの」の主人公に、社長が少ないのか - ITmedia ビジネスオンライン

これはアメコミと日本のヒーロー像を比較した、面白い論評なのだが、こんな一節が出てくる。

なぜかというと、日本のヒーローというのは、ほとんどが「公的機関に属する者」か「自由人」という両極端な2つのキャラクターだと相場が決まっているからだ

ドラマにおけるヒーローの代表格といえば刑事に代表される警察官だが、警察官も公務員だ。

本作は公務員ヒーローの限界、というか、悲哀のようなものを描きたかったのか? 組織に属する公務員ヒーローは、バックにある組織の思惑に大きく左右される。そうした「現場と組織」の対立は、近年警察ドラマの中でよく取り上げられてきた。

だけど、本作ほど徹底的に組織に動かされる警察ドラマも珍しい。だいたいは現場が組織に勝つことでカタルシスを得るのが普通だが、本作はカタルシス不在。

で、最後は彼ら現場の捜査員たちの一部が、それぞれテロリズムの側に転びそうなニュアンスだけ描いてぶった切る。ま、続編の可能性も考えたら、実行までは描けなかったのだろう。

でもまぁ、ここまで救いのない警察ドラマも珍しい。

-コンテンツ評論, テレビ番組評
-, , , ,