コンテンツ評論 テレビ番組評

「逃げるは恥だが役に立つ」をみた

ガッキーこと新垣結衣主演、星野源が相手役のラブコメ。

シリーズものの「ドクターX」や大河ドラマの「真田丸」を除けば、今クールで一番勢いがあった連ドラだろう。「社会派ラブコメディ」と銘打たれ、たしかに現代社会を写したような設定や登場人物が目立つが、ここではストーリーには踏み込まない。

ネットに「ガッキーがかわいい」という言葉がズラっと並らんだその理由について考えてみたい。ガッキーもすでに28歳、「きれい」「美しい」という評価は受けてもなかなか「かわいい」に結びつかないお年頃なのではないか。

最近のガッキーの演技には戸惑いがない。
そこが魅力をかもしだすひとつのキーポイントなのではないかと思う。

私がガッキーに注目しはじめたのは「コードブルー ~ドクターヘリ緊急救命~」。当時20歳そこそこのガッキーは、若い医師の役を演じていた。その演技は戸惑いだらけだった。初めての社会人役、研修医をすでに終えた浅いが実務経験も持っている医師役。おそらく役年齢は実年齢よりも6~7歳は高い。

ガッキーは正直で真面目な性格ゆえ、戸惑いはすぐに演技に出る。しかし、ドラマとしては成功だったと思う。ガッキーが演じた白石恵は、知識は豊富な優等生だが現場に出ると身体がすくんで適切な動きができない性格。ガッキーの感じた戸惑いはそのまま役の戸惑いを表現していたからだ。

そしてガッキー初の連ドラ主演となった「全開ガール」でもその戸惑いが感じられた。「これでいいのかなぁ?」という戸惑いが全身を通じて伝わってくるような演技だった。

その戸惑いが変わって来始めたのは「リーガル・ハイ」なのではないかと思う。このドラマでのガッキーの立ち位置は、堺雅人の全力のコメディ演技を受ける立場。そこから学んだことは大きかったのではないか。

脚本を信じて肩の力を抜いて演技すること。これがガッキーとコメディドラマの相性の良さを作っている。

本作の脚本家野木亜紀子氏とは「空飛ぶ広報室」「掟上今日子の備忘録」に続いて三回目のタッグ。脚本を信じられる条件も整っていた。脚本が面白いのだから、自分から無理に面白く演じる必要はない。力まず普通に演じること。

自然体の演技が、このドラマの右肩上がりの盛り上がりを呼んだのだろう。

ただ、ガッキー本人はそれには戸惑いを感じているのじゃないかな?
「こんなに盛り上がってしまって、どうしよう?」とハードルが上がってしまったことに戸惑っている様子が想像できる。

そんな、ガッキーが好きなのです。

 

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