コンテンツ評論 テレビ番組評

「家売るオンナ」をみた

ieuruonnaタイトルどおり、不動産営業ウーマンのお仕事ドラマ。北川景子主演。

今季いちばん面白かったドラマで、実際視聴率もよかったらしい。

何より話題に昇ったのは主人公三軒家万智の造形だろう。
家政婦のミタ(松嶋菜々子)」や「ハケンの品格(篠原涼子)」の二番煎じという声もあったが、私のみるところ、ちょっと違う。
何より違うのは「熱血」というところだ。

ロボットのような無表情、棒読み的な口調などがクローズアップされがちだが、その本質は「家を売るためなら何でもする」という「熱血ぶり」だ。三軒家万智の場合、「家を売る」という動機が内在しているので、「命令されるがままに何でもやる」という「家政婦のミタ」の三田灯や、「能力と時間だけを売る」という考え方の「ハケンの品格」の大前春子とは違うのだ。

そのため三軒家は部下である営業マンたちにも「家を売るためにはなんでもする」三軒家ポリシーを強制するし、「GO!」というかけ声でけしかける。態度や口調はクールにみえるのだが、実質は体育会系みたいな熱血ぶりだ。自身も徹夜で資料作りしたり、変装して顧客を誘導したりという無茶な行動もとる。

そして、ドラマの構造としては「不動産の営業」=「顧客の"家=家族"にまつわる問題の解決」という形で、一話完結の家族ドラマを仕掛けているところもユニークだ。不動産仲介業そのものを「お仕事ドラマ」として家族の問題に結びつけていることは、これまでの連ドラにあまりなかった視点だ。今後こういう「仕事=顧客の問題解決」という構造のドラマが流行する可能性もある。ちょっと考えても、たとえば旅行代理店とかウェディングプランナーとか葬祭業なんかには使える発想だと思われる。

ちょっと気になったのは、台詞の量が多いこと。特に三軒家万智の過去についての事実がほぼ台詞だけで語られていて、シーンが作られていないのが気になった。
三軒家は高校生の時に両親が死亡、家を失って一時ホームレス生活をしていた、それが故に「家」にこだわっているのだ、と語っているが、それが全部本人からの語りだけで表現されている。脚本はベテランの大石静なのだが、ここはちょっと解せない。

気になった記事。
『家売るオンナ』三軒家万智はなぜ愛される? プロデューサーが明かす北川景子が"無愛想なロボット"になった理由|ニフティニュース

三軒家万智の造形が監督の提案だったこと、企画の最初がプロデューサー自身の不動産購入体験だったことなど、興味深い。

【追記】

気になった記事。
家売るオンナ」:発達障害者?が語る愛と真実と感動(碓井真史) - 個人 - Yahoo!ニュース

主人公は、かなりの変わり者。愛想がなく、ほとんど表情も変わらず、空気を読まず、ビシビシと後輩を鍛えます。そして、家を売るためには、何でもします。

(…)昔なら「変わり者」ですが、今なら「発達障害」という診断がつくかもしれません。

なるほど! 三軒屋万智は発達障害なのか。そう考えるとあのキャラも理解ができるな。

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