コンテンツ評論 映画・DVD評(邦画)

「リトル・フォレスト 夏・秋」「同 冬・春」をみた

littleforest「リトル・フォレスト」すなわち「小森」。小森は東北地方のとある山間部の村にある、森と沢と田んぼに囲まれた集落だ。いち子(橋本愛)はこの小森で、たったひとりで暮らしている。

田んぼで稲を作り、畑で野菜を育てる。時には山や沢に入って自然の恵みを収穫する。それらを料理して、食べる。小森での暮らしはその繰り返しである。

映像は淡々といち子の日常を描き続け、農業や料理や小森での暮らしについて語るいち子のモノローグで延々と綴られていく。何やら「孤独のグルメ」っぽくもある。

劇場公開時のフォーマットに従って「夏・秋篇」と「冬・春篇」に別れているが、ひと季節ごとにメインタイトルもエンドロールも入る別作品。ひと季節1時間の合計約4時間の作品だ。ちなみにAmazonプライムビデオでみた。

東北地方のとある村、と語られてはいるがロケ地は岩手県奥州市。橋本愛はよほど岩手に縁があるようだ。「HOME~愛しの座敷わらし~」も岩手だったし、もちろん「あまちゃん」も岩手。「あまちゃん」では東京に憧れるアイドル志望少女を演じていた橋本愛が、本作ではひたすら自給自足的農業と料理に打ち込む「農ガール」を演じている。

もっともいち子はずっとここで暮らしているわけではなく、一度都会に出たことがあるようだ。男と同棲もしたことがあるようだが、都会に居場所を見つけられなくて戻ってきた。母親は5年前にいち子を残して失踪した。そうしたいち子の生活史も、耕し料理を作り食べる合間に少しずつ語られていく。

小森の風景は四季を通じて美しい。そして木の実や山菜などさまざまな恵みにも満ちているようだ。いち子はその小森を愛しつつ、ある春の日小森から旅立っていく。そして数年後、伴侶を連れて戻ってきた。

美しく、おいしそうで、そして切ない映画である。

-コンテンツ評論, 映画・DVD評(邦画)
-, , , ,