コンテンツ評論 テレビ番組評

「ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子」をみた

on_hinako波瑠主演の猟奇犯罪系刑事ドラマ。

波瑠は、驚異的な記憶力を持つ一方で、殺人者に執着する一種の「心の闇」を持つ新人刑事、藤堂比奈子を演じる。

猟奇犯罪を扱ったドラマなので、毎回のようにグロい死体(それも殺され方、殺された後の処置の仕方がたいていエグい)が出てくる。これで捜査陣の描き方まで重かったら見るのがけっこう辛くなるが、その割には演出がそんなに重くないので、なんとか最後まで見届けられた。

それにしても波瑠、珍しい女優である。

故夏目雅子に似ているという評判もあるが、どこかしら他の女優とは違った雰囲気を漂わせている。ショートカットで、中性的なイメージ、というだけではない。

演技は決して下手ではない。「あさが来た」のような明るい役から本作のような暗めの役までこなすのだが、誰を演じてもどこか「割り切れない感じ」が残る。ミステリアスな部分を匂わせているのだ。どこかにいる人物、ではなく、どこにもいないだろう人物に見えるのだ。

こういう女優は、使い方が難しいのではないかと思う。普通の役に押し込めてしまうと、どうにも中途半端になってしまう。「当て書き」であったり、波瑠の良さを引き出していく演出が求められるだろう。

本作の原作小説は読んでないのだが、ネットの評判によると、原作における藤堂比奈子は普通の女性のようだ。ドラマでは、かつては父を殺したいと強く思い、殺す者と殺さない者の境界付近をさまよう、「ちょっとあぶない」主人公に変えてある。これは、波瑠の持つミステリアス性に寄せていったのではないだろうか。

波瑠自身もとまどったであろう難役。よくこなしたと思う。

とはいえ、もうちょっと普通の人物を演じる波瑠も見てみたいものだ。

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