コンテンツ評論 テレビ番組評

「#重版出来 !」をみた

重版出来!マンガ雑誌の編集者とマンガ家の世界を描いた「お仕事ドラマ」。

マンガ雑誌がどのようにして作られているか、そしてマンガ家志望者がどのようにして一人前のマンガ家になっていくのか、リアルにエモーショナルに描かれている。

しかも、その背景には昨今の出版不況が横たわっていて、電子書籍、SNSなどネットの反応、お絵かきSNSでの作家スカウトなど、「今日のマンガ業界」が描き込まれているのが素晴らしい。どこか昔のドラマの焼き直しのような業界ものが多い中、現代を切り取っている点でも評価できる。

雑誌の編集者というのは割とドラマの主人公になる職種だが、実際に「どういう仕事をしているか」というのがわかりにくい。

その点、本作では「売れる雑誌、売れる単行本を作る」タイトルでもある「重版出来(しゅったい)」という目標が最初から提示され、主人公である新人編集部員がそれを自分なりに咀嚼して、自分流の仕事を目指していく姿が共感を呼ぶ。しかもきれい事ばかりではなくて、現実主義で描かれているのが嬉しい。主人公の恋愛沙汰もなく、成長ドラマも控えめ、ある意味「お仕事」そのものが主役となるドラマの一典型を示したのではないか?

主演は連ドラ初主演の黒木華(はる)。地味な女優だが、これまでのおとなしめの役とは打って変わって、体育会系のウザ暑苦しい熱血女子をコミカルに演じている。原作がマンガだからか、表情もマンガチックにデフォルメされていて楽しい。

本作はぜひ第2シーズンもやってほしいが(視聴率は思ったほど伸びなかったからさて出来るか?)、同じような「お仕事が主役」なドラマを他業種でもやってほしい。
「どんな人間でもドラマの主人公になりうる」ということがどれだけ視聴者を元気づけるだろうか。

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