コンテンツ評論 テレビ番組評

「#ラヴソング」をみた

lovesong福山雅治主演の恋愛ドラマ、という触れ込みだったので最初は見る気もあまりなかった。でも第一話をみたら、なかなか良かったので見続けることにした。

自動車整備士の仕事をしている21歳の女性さくら、彼女は言葉がなかなか口に出せなかったり、どもってしまう吃音を抱えて、あまり他人とかかわらないようにして暮らしていた。それが臨床心理士の神代(福山)と知り合い、音楽療法をすすめられ、歌と出会うことで変わっていく。

大枠はこんな話。実はそんなにラブストーリーじゃない。

良かったのは、前半だけ。それもさくらサイドの物語だけ、という気がする。

神代には実は20年前プロのミュージシャンとして活動していた時期があり、その頃のパートナーを亡くしたことで音楽を辞めた経緯がある。その他、いろんなしがらみがあり、神代もまたさくらとの出会いによって変わっていく物語がある。それは福山だから、主役だから。でも、そっちはどーでもいい。

後半、さくらの吃音というもともとの克服テーマがどうでもいいような展開になってくる。さくらが喉の腫瘍だと診断される。声帯を失うかもしれないと脅されつつ、成功率10%以下という難手術に踏み切る。声を失う、という危機の前には吃音なんか吹っ飛んでしまうじゃないか。

一説には月9始まって以来という低視聴率のため、脚本のテコ入れが入ったという話もある。もう1話分くらい放映予定があったのが短縮されたのではないか、という気もする。

最終回に至っては、さんざ脅した手術が難なく成功し、さくらの声は元通り。ラストシーンは2年後の出来事なのだが、そこではさくらは前と同じように歌ってはいるものの、彼女の吃音がどうなったかは描かれない。え~? どうなってんだこれ。神代の方は一流アーチストおかかえのヒットメーカーになってるし、それはまぁ福山だから?福山の使い方に関しては「そして父になる」の是枝監督の方がよくわかってたよなぁ。

民放がいつも1時間×9~11回というフォーマットで連ドラを作っている弊害がここにある。前半の物語を中心に、さくらを主人公に据え、4~5話にまとめたら名作だったような気がする。吃音の女の子が、歌と出会うことで克服し、シンガーになっていく物語だけでいいじゃないか。ほのかな恋愛風味くらい添えて。

さくらを演じているのはドラマ初出演のシンガーソングライター藤原さくら。なんとなく、藤原さくらのPV feat. 福山雅治といった感じもないではない。

低視聴率のために福山は相当男を下げたらしいし、月9最低視聴率を記録してフジテレビはまた叩かれる。このドラマで得したのは藤原さくらだけのような気もする。

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