コンテンツ評論 テレビ番組評

「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」をみた

itsukoiああ、長いタイトル(^_^;)。

ただいま人気絶頂の有村架純の地上波連ドラ初主演ということと、脚本が坂元裕二(「最高の離婚」「Woman」「問題のあるレストラン」など)ということで見ていた。

月9でさえ、若者の恋愛ドラマは視聴率がとれないらしい。このドラマも平均10%いかなかったらしいが、それを主演女優のせいにするのはちょっと酷な気もしている。

とりあえず脚本に着目してみると、このドラマは恋愛ドラマの王道的なシチュエーション(6人の若者たち、三角関係、相思相愛のふたりに対する障害など)を用いながら、その展開に関してはまったく恋愛ドラマらしい進行をとらなかったな、と思った。

そのため、非常に見ていてもどかしい。お互いの好意を確かめあっているんなら、さっさとくっついちゃえ、と言う感じがする。

普通の恋愛ドラマなら、まずお互いの出会いから好意を確かめあうまでが第1段階(この段階で波乱を作ろうとするから、えてして恋愛ドラマの男女は最低の出会いをする)、恋人関係に至るまでが第2段階(このあたりで周囲の人間や、元カレ、元カノが邪魔をしたりする)みたいな文脈があるもんだ。

だが、このドラマでは主人公の音、そして練のふたりがお互いに好意を抱いていることは第1回で視聴者に丸わかりなのに、ふたりが一向に恋人関係になろうとしない。お互いにそれぞれ簡単にそうはなれない「事情」というものがある。

坂元裕二は、恋愛そのものを描くよりも、そのさまざまな「事情」を描こうとした。第1部で練が木穂子と交際していたり、第2部では音が朝陽と交際していたりするのもその「事情」の一部であって、「事情」は気持ちとは別に存在する。

だいたい人生とは事情に振り回されるものであって、よくある恋愛ドラマのように「気持ち」を「事情」に優先させることはなかなか出来ないのが普通の人生かもしれない。

このドラマのメインとなる6人の若者たちは、それぞれ本来は優しい人間たちであって、だからこそ事情に振り回されているのかもしれない。何か、現代の恋愛ドラマとは別の物語を見せられているような気がした。

【追記】

こんな記事を読んだ。

ドラマ最前線 制作者インタビュー5 フジテレビ『いつ恋』村瀬健  ラブストーリーは求められている(木俣冬) - 個人 - Yahoo!ニュース

村瀬健(プロデューサー)「黒いところに白いものを置くと目立つじゃないですか。真っ暗な世界に恋愛という白さを際立たせるために、あえて世界を黒くしているんです」

音が働く老人介護施設とか、練の働く引っ越し屋などがブラック企業だということがTwitterなどで声高に言われていたが、制作者の側はこういう意識だったのか。でも、それはちょっとなぁ、という気がする。

-コンテンツ評論, テレビ番組評
-, , ,