コンテンツ評論 テレビ番組評

「ちかえもん」をみた

ちかえもんいや、ニューウェーブ時代劇ではなかろうか。(笑)

舞台は元禄の大坂、主人公は近松門左衛門。
かつては名作人形浄瑠璃をものしたが、現在はスランプ中の戯作者だ。

親不孝者がなめるという「不孝糖」という飴を売るナゾの行商人、万吉がこの近松にからむ。
ちなみに「ちかえもん」とは近松門左衛門を縮めて万吉がつけたあだ名。

このスランプ近松が、さまざまな人間模様を垣間見つつ、名作「曽根崎心中」を書くまでの物語。
現実と虚構が交錯する中で、お初徳兵衛の心中にいたる騒動の、しかし近松は当事者というよりは傍観者、記録者である。

だからだろうか、近松は現代人の心を持っている。「わしはスランプ中の初老のシナリオライターなんや」とカタカナ語も使う。なんと昭和の名曲を替え歌にして状況や心境を歌ってしまう。いわば、近松こそ視聴者の代理として元禄の世界にいる。

脚本は「ちりとてちん」の藤本有紀。トリッキーでコミカルな仕掛けを幾重にもストーリーに組み込む技は健在だ。

人形浄瑠璃の竹本義太夫を演じる北村有起哉が見事。劇中の義太夫節の語りはまるで本ものの太夫のようだった。

-コンテンツ評論, テレビ番組評
-, , ,