コンテンツ評論 テレビ番組評

「ジャングル・フィーバー」をみた

2016/01/18

junglefNHKのBSプレミアムでひっそりオンエアされていた剛力彩芽主演の単発ドラマ。

久しぶりに宇宙もののSFドラマだったので期待してみたが、いやぁ、ショボかった。がっくし。

基本、舞台となるのは宇宙船の中。メインルームと称する集会室と個人の部屋、それらをつなぐ廊下だけのセットである。予算がなかったのだろう。ショボいが、それは仕方がない。

もっとショボいのはストーリーだった。主人公が冷凍睡眠から覚めるとそこは宇宙船の中。乗組員は全員で8人。全員が死刑囚だという。地球はすでに核戦争で滅び、人類の種を残すために彼らが人間の受精卵とともに地球型惑星をめざすのだ。そんな大切な任務なのに、なぜに乗組員が死刑囚? というツッコミが浮かぶ。

そこに密航者があらわれる。宇宙船の整備士がこっそり乗り込んでいたのだ。
ここで浮かぶのは「冷たい方程式」でしょう。密航者が乗ったために酸素や食料が不足する、どうやってその問題を切り抜けるのか? という有名な作品。方程式ものの模倣作をたくさん生んだ。しかし、あっさりその問題はスルー。

そして宇宙船内で殺人事件が起こる。ひとりまたひとりと死刑囚たちは殺されていく。乗組員リストをひとりずつ抹消していく表示に、これはアガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」のSF版をやろうとしているのか? と思わせる。しかし、それもあっさりスルー。半分が死亡したところであっさり別の局面に移る。

「この宇宙船には監視役としてアンドロイドが乗っているのだ」という話が巻き起こる。乗組員の中で誰が一番アンドロイドらしいかというと、高橋メアリージュンが演じている女が一番それらしい。なにしろ彼女は過去アンドロイドやサイボーグを何度も演じてきた。おそらく日本の芸能界で一番アンドロイドっぽい女優だ。はたして彼女がアンドロイド。何のひねりもないんかい!?

しかし、そのアンドロイド以外に別の犯人がいて、もうげんなりするから詳細は省くが、最後は主人公がそれを見破ったところで、眠らされてしまう。目が覚めると「試験は終わった」という声。場所は地球。夢オチかい!

しかし、それは冒頭の設定どおりの宇宙船に監視役として乗り込むための資格試験だったらしい。主人公はそれに合格したのだ。地球滅亡まで60日。周りを取り囲むスタッフたちは座して死を待つんかい? せめて核戦争を避ける努力をせんかい! そして乗り込む宇宙船の乗組員はやっぱり死刑囚だという。せめてそこは、地球で一番優秀な遺伝子を持ったエリートたちだった、ということにしたらどうだ?

ともかく、そんな具合でげんなりする展開の連続。ショボいセットが余計にショボくみえてしまう。

NHKがドラマの秀作を数多く作っていることはたしかだが、必ずしも駄作を作らないわけではない、という証拠みたいなドラマだった。

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