コンテンツ評論 テレビ番組評

「女性作家ミステリーズ~美しき三つの嘘~」をみた

honooフジテレビ系で放送されたオムニバスドラマ。湊かなえ、三浦しをん、角田光代の短編小説を原作に、それぞれ映画監督が演出するという触れ込み。

三つのドラマはそれぞれ放送時間で45分ほど、ひとつひとつの話に関連性はないが、三浦友和扮する刑事がどの回にも登場するということで、糊代を作る工夫がされている。

三話とも「女の友情」みたいなテーマだろうか。ミステリーズと題されてはいるが、どれも謎解きという意味でのミステリー性は薄い。

第1話「ムーンストーン」

永作博美がDVから娘を守るために元市会議員の夫を殺害した主婦に扮する。壇れいが弁護士。

元アイドル女優というイメージの永作だが、いつの間にこんなに演技が上達したのか、「泣き」の演技には圧倒された。

ちなみに主人公の中学時代のエピソードがカットバックで現在の取り調べ風景に挿入されている。友人の励ましによって吃音を克服して読書感想文の朗読大会に臨む女子中学生のエピソードだが、主人公と弁護士のどちらがどちらなのかは、対面するまで伏せられていた。結果として、主人公が励ましていた方、弁護士が克服した方なのだが、これは結末としては予想できる。

ただし、中学時代を演じた娘は、克服した方が丸顔系、励ました方が瓜実顔だった。永作はどちらかというと丸顔系、壇は瓜実顔だから、これはミスディレクションにしてもおかしい。顔の骨柄は成長しても変わらないはずだから。

第2話「炎」

「まれ」以来の土屋太鳳と門脇麦の共演。

土屋太鳳は気持ちから入る女優で、その武器は表情を中心とした表現力である。門脇麦はまったくタイプが違う。おそらく門脇は自分の表情が大きくは動かないことをよく知っている。その分、発声法を中心として表現力を磨いてきたはずだ。この作品でも随所にその「声」の演技は際立っていた。

この作品で土屋は門脇に演技面でつられたと思う。「まれ」を通じてよく知った間柄だけに、その演技もよくわかっていたはず。

土屋はこの作品では自分の表情を殺すことを選んだ。内容が深刻なだけに、その方がいいと思ったのだろう。どちらかというとだいたいいつもポーカーフェイスの門脇と並んだ時にもその方が揃う。しかし、結果としてその選択は門脇の方を立たせ、土屋を沈ませた。自分の最大の武器を殺したようなものだ。

第3話「平凡」

この作品には余り感想がない。鈴木京香と寺島しのぶの共演だが、どちらも好きな女優ではないせいか。スター性では鈴木、演技がうまいのは寺島だ。

この話は殺人でも自殺でもないので、本来刑事の三浦友和が出てくる余地がないのだが、都合上問わず語りに身の上を語らせるシーンを挿入した。結果、そこだけ浮いている。

染谷将太の将来が寺脇康文なんて、ちょっと合わない、というくらいが感想だった。

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