コンテンツ評論 映画・DVD評(邦画)

「海街diary」をみた

2015/12/22

海街diary DVDスペシャル・エディション鎌倉に暮らす三姉妹のもとに、腹違いの妹がやって来る。

彼女たちの父はかつて家庭を捨てた。母も再婚して家を出て、姉妹は三人で古い家に暮らしている。
父の訃報を聞いた三姉妹は葬式に列するために、父の暮らしていた山形に赴き、そこで腹違いの妹すずに初めて会う。

父を失い血のつながらない継母と暮らすすずに、長姉の幸は「鎌倉で一緒に暮らさない?」と声をかける。
そして、鎌倉で「女子寮みたい」な四人での暮らしがはじまった。

末娘のすずを演じるのは、名前も同じ広瀬すず。これは、すずが三姉妹の家族になっていく物語だ。

鎌倉で、姉たちや暖かい人々に囲まれて暮らすことになったすずは、しかし「ここに居ていいのかなぁ?」という問いをいつも心の中に抱いている。
彼女の父は、かつて姉たちを捨て、家庭を壊した。その娘であることの負い目を感じている。
遠慮がちに鎌倉の家に入ってきたすず。

しかし日常は淡々と流れ、四人それぞれの中にしっかりと絆が築かれ、すずは妹に、家族の一人になっていく。
「すずはここに居ていいんだよ」と幸はすずに語りかける。

監督は「そして父になる」と同じ是枝裕和だが、彼は広瀬すずには台本を渡さず、その場その場で台詞を口づてに教えたという。
子役に対して使う手段だが、そういう演出法によって是枝監督は広瀬すずに演技的な準備をさせず、その場に自分として居ることを選ばせたのだろう。

物語はすずが鎌倉に来てからの一年間を淡々と描くが、この少女が大人になっていくのを淡々と眺めていたいという気にさせた。

一家の最寄り駅として江ノ電極楽寺駅がしばしば登場するが、これは「最後から二番目の恋」に登場した、長倉家の最寄り駅でもある。
鎌倉にある古い家は、どうしてこうも絵になるのだろう?

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