映画・DVD評(邦画)

「感染列島」をみた

2010/12/11

パンデミック(感染爆発)を扱った医療もの。
今年実際に起こった新型インフルエンザ禍の記憶が生々しいので、かえってバイアスをかけて見られてしまう。興行的には狙いだろうけど、作品的にはマイナスではないか。

こういう大災害ものというのは、ミクロとマクロのバランスが難しい。
妻夫木聡演じる救命医が主人公なので、あくまで医療現場を扱ったミクロのストーリーが主なのだが、それにしてはパンデミックが大規模すぎる。

終盤さりげなくテロップで示されるのだが、日本の人口の1/3が罹患し、1/10が死亡するという大災害。しかも、ウィルスの正体もわからず、治療法はもちろん発見されていない。治療の現場がどのように対応するか、というミクロのストーリーと同時に、ウィルスの正体をつきとめ治療法を見いだすというマクロのストーリーが絡む。

これを、一組の主人公でやろうというのは土台が無理だ。手が足りないはずの現場を離れて、一救命医がウィルスの発生源をもとめて東南アジアまで行く、というありえないストーリーになってしまう。

あくまで一病院という現場から見たミクロのストーリーを中心に組み立てたほうがよかったと思う。それならば、男女の愛情で幕を閉めるやり方も納得できなくはない。

マクロを描くなら、日本人の1/10が死亡した世界はどうなったか、もっと見せてほしかった。

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