平成徒然草

ELECOMの人差し指操作型新トラックボール"DEFT" 【追記あり】

2015/12/09

P_20151129_171131ここのところ絶えて久しくなかった人差し指操作型トラックボールの新製品が登場した。

ELECOMの製品で"DEFT"シリーズという。同じ人差し指操作型であるMicrosoftのTrackball Explorer(以下MS TE)を愛用し、4つも所有しているトラックボーラーの私としては、試してみないわけにいかない。Amazonで予約注文し、最速で入手した。

いつも過剰包装なAmazonにしては珍しく、元箱に納品書を貼り付けて送ってきた。コンパクトでよろしい。私の買ったのはUSB有線タイプで、M-DT2URという型番である。M-DT1URはメーカーサイトのトラックボールページに載っているが、M-DT2URは載っていない。どう違うのだろうか? 取説は共通のようだがどこにも機種別の記述はない。

開けてみて最初に思ったのは、思っていたよりも小さくて軽いということだ。MS TEとの比較写真を掲載する。(MS TEが汚いのは予備用だから)

P_20151129_171620このとおり、一回り小さい。特に長さが短く、手を乗せると手首が机についてしまう。MS TEのテールが長いのは掌底を乗せられるようになっているからで、完全に手首の荷重をトラックボールに預けられるのだが、DEFTはそれがしんどい。仕方なく、手前にかまぼこ板を敷いたらこれがちょうどいい案配。本体ではなく樹脂製の延長ボディでもいいから、手首を乗せられる部分が付け外しできるといい。

私は手が比較的大きめなので、手の小さい女性などにはいいかもしれない。ただし外観は黒一色。精悍で完全に「漢(おとこ)のトラックボール」という雰囲気だ。

軽いのは少し問題だ。トラックボールはマウスと違って動かすことがないので、基本ある程度重量があるほうが安定する。MS TEは触っていて本体が動くことはほとんどないが、DEFTはかなり頻繁に動く。これはMS TEの場合手首が本体の後部に乗るので荷重がかかることも影響している。

本体の構造は無線タイプと共通のようなので、可搬性も考えて軽くしたのだろうか? デスクトップで使い続けるには、何かおもりを付けるような工夫が必要だ。

トラックボールの肝であるボール自体もMS TEに比べるとふたまわりくらい小さい。さらに、ボールの半分以上が露出しているMS TEと違って、実質上に出ている部分はボールの1/3くらいである。
通常のマウス操作で使う分にはさして問題となるとところはないが、私は時にトラックボールでマスク作成などの作業も行なうので、細かい操作性は劣るのではないかと思われる。

P_20151129_171038手を乗せると、自然とポジションが決まる。親指は左側面のホイール、左クリックボタン、進む・戻るボタンへ。人差し指はボールとその横にあるファンクション用の3ボタン。中指はボールの右脇にある板状の右クリックボタン。右クリックボタンの下側にはボタンはない。

3つのエリアが完全に分かれていて、操作する指が明確である。薬指・小指には役割がない。

MS TEでは主に人差し指と中指をボールに乗せて操作していたが、DEFTはボールが小さいこともあって人差し指のみで操作する設計になっているようだ。中指を添えることもできるが、移動範囲の邪魔になることがある。

ちなみにボールの支持には2.5mm径のルビー球が使われているそうだ。支持球の摩耗はMS TEの最大の弱点であり、ユーザーは1~2年もするとボールの動きが鈍ることに悩まされる。私も持っているMS TEの支持球をすべてセラミックボールに換装した。元から硬度の高いルビー球を使っていれば、摩耗に悩まされることも少ないだろう。

右サイド詳細右サイドには、下から左クリックボタン、ホイール(チルト機能つき)とポインタ速度変更スイッチ、そしてデフォルトではブラウザの進む・戻るが割り当てられている2つのボタンがある。

左クリックボタンは、MS TEの場合横にも出っ張りがあるため斜めに押すこともできる。DEFTではほぼ真横に押し込まなければならない。まあこれは、慣れれば特に問題はない。

ホイールは軽やかに回るMS TEに対して非常に重い。かつクリック感がある。少し潤滑しようとシリコンスプレーを注入してみたが、ほとんど変わらなかった。特に操作に支障をきたすほどではないが、軽快な操作感とはほど遠い。

このホイールにチルト機能があるのだが、下向きはともかくとして、上向きにチルトさせようとすると本体が軽いのもあって人差し指で本体を押さえ込まないと浮いてしまう。チルトホイールは本来左右方向へのスクロールが割り当てられているのだが、フルHDのディスプレイでWebブラウジングしている分にはほぼ使わない機能である。

DEFT_Switchホイールの横にポインタ速度の変更スイッチがある。

これを前にするとカウント数が半分になり、マウスポインタの移動が遅くなる。微妙な部分の操作に使えということらしい。スイッチの位置は赤と青の色が覗くことで判別できるが、これは操作位置からほとんど見えないため、切り替えた瞬間にランプが明滅する回数で判別できるようになっている。なお、カーソル移動速度全般は、コントロールパネルの「マウス」で変更できる。

Windowsで使う場合、USBで接続するとすぐに認識して使えるようになる。ただし、この状態ではファンクションボタンは使えないし、ボタンの割り当ても変更できない。ELECOMのサイトから「マウスアシスタント5」というドライバーソフトをダウンロードしてインストールすると、細かいカスタマイズができるようになる。ソフトウェアごとに別の操作系を割り当てることもできる。特筆すべきは左クリックボタン、右クリックボタンも変更できることだ。ここが変えられるドライバーソフトは意外と少ない。

どうやって使うかは人それぞれだと思うが、私の場合複数のPCを使っていてMS TEが接続されているPCもある。そのため、操作体系が混乱するのは避けたいということで、基本MS TEに合わせることにした。

マウスアシスタントこれが最終的にマウスアシスタント5で設定した内容だ。左クリックボタンはそのまま、右クリックボタンはホイールの上というMS TEと同じ位置のボタンに変更した。もともとはブラウザの「進む」がアサインされていたボタンだ。

ブラウザの「戻る」は元の右クリックボタン(ボールの右側)、「進む」は元の「戻る」ボタンに変更してある。Webブラウジングの場合、「戻る」はよく使うが「進む」の使用頻度は高くないため、一番操作しにくいボタンとした。

ファンクションボタンの用途は何がいいのかよくわからないので、前からCut、Copy、Pasteをとりあえず割り振ってある。正直、指が伸びるかどうか疑問である。ついつい右クリックで操作してしまうからだ。そのうち、いい用途を思いつくかもしれない。

DEFTを接続してあるPCはWeb閲覧と文書作成に使っているマシンである。これが一番使用頻度が高いということもあるが、正直ボールの小ささなどからすると映像編集用のPCに使う気にはまだなれない。

まだ2日ほどしか使っていないのだがここまでで感じた希望をいうと、まず本体を重くしてほしい。デスクトップ用の有線トラックボールは机に固定するくらいでちょうどいいのである。ちょっとした操作で動いてしまうのは論外だ。

チルトホイール機能、マウスポインタ速度変更スイッチ、ファンクションボタンは特に必要ないと思う。これらを省いた廉価版を出してもいいのではないか?(トラックボールがそんなに売れない商品であることを無視すればだが)

今回買ったのはUSB接続の有線タイプだが、同型でワイヤレスタイプもある。これはどうもUSBポートに挿す受信機つきのモデルのようだが、Bluetoothモデルもあっていいのではないか? それが出たらFireTV stickで使うかもしれない。

いろいろと文句のつけどころはあるが、あえて今人差し指操作型のトラックボールを新たにラインナップに加えたELECOMには感謝したい。正直、市場に選べる製品がほぼなかった状態だからだ。


上の画像をクリックするとAmazonの商品ページに飛びます。

【追記】'15年12月4日(金)

P_20151204_100907今のところの運用状況はこんな具合になっている。

DEFTのテールにくっつけているのは、もと "kensington trackball with scroll ring"に附属してきた手首サポート。ケンジントンのはそこそこ長さがあるので使わなかったが、DEFTにくっつけると、手首の重さで本体を机上に押しつけるので、そこそこ具合がいい。少なくともこれで、操作しようとすると本体が動くことはなくなった。DEFTもこんな感じのサポート部品を付属させるべきだ。

3日ほど使ってみて、やはりデメリットはボールが小さいことと、それが奥まっていることだ。そもそもトラックボールではボールは露出しているほど使いやすいのに、なぜこんなに沈めて配置したのか? 小型であることも相まって画面の小さなモバイルノートなどでは使いやすいだろうが、デスクトップには向かない。ぜひ大玉で大きく露出したデスクトップ専用タイプのトラックボールを製品化してほしい。

ボタンのアサインでは、いろいろと迷っている。

おやゆび

今はデフォルトに近いかたちに戻している状態。
そもそもボタン4・ボタン5(デフォルトではブラウザの「進む」「戻る」をアサイン)の分け目が問題。

写真に示したようにここに親指を置くとちょうどボタンの分け目に指先がくる
「進む」も「戻る」もどっちも同じ感じで押せるように、という配慮だと思う。

しかし、そもそもブラウジングで使うのは圧倒的に「戻る」ボタンだ。
「進む」ボタンを使う頻度は、「戻る」ボタンと比較して1/10くらいだろうか?
だから指を持って行くと「戻る」ボタンに自然に指先が行き、「進む」ボタンを押すには少し指をずらす必要があるくらいが正解だと思う。

それが「戻る」と「進む」の分け目に指が行くようにデザインされているために、どっちも使いにくくなっているし、他の機能(たとえば右クリック)をアサインするのにも使いにくい。上の写真で言えば、分け目がもっと左側にくるほうが絶対によいと思う。

「よく使うボタン」と「たまに使うボタン」を意識して分けておいたほうが使いやすいということだ。

【追記】'15年12月9日(水)

しばらく試用していたが、MS TEに戻すことにした。

DEFTの問題点はほぼボールにある。私はMS TEをボールに人差し指と中指を乗せて操作する癖がついている。その方が微妙な動きができるからだ。
DEFTのボールは小さく奥まっているため、二本指を乗せると極端に可動範囲が狭くなってしまう。せめてボール部分を出っ張らせて露出部分をもうちょっと大きくしてくれてあればいいのだが沈めてあるために指がすぐボールの周囲に当たるのだ。

久しぶりにMS TEに手を乗せると安心してしまう。DEFTでPCを操作していると手首のあたりが疲れてくるのだ。

やっぱりこれはノートPCなどを意識して小型化しているからだろう。有線タイプではなくて、無線タイプを買っておけばよかった。

"kensington trackball with scroll ring"の場合は、ボールはいいのだがボタンが少なくて使いにくかった。DEFTはその逆である。ボタンはまずまずだが、ボールがよくない。なかなかMS TEに取って代わるトラックボールはあらわれない。

MS TEを復刻するか、せめて形状を合わせたトラックボールを製品化してほしいのだが、それってMSの知的財産権にひっかかるのかな?

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