コンテンツ評論 テレビ番組評

「破裂(NHK土曜ドラマ)」をみた

haretsu医療ドラマだが、官僚の陰謀話を含む。

心臓の画期的な治療法を開発した医師(椎名桔平)がいる。老人の弱った心臓を見事に回復させる療法だが、致命的な副作用があった。いったんは回復したように見えるのだが、やがて心臓破裂で死に至る。

それに目をつけたエリート官僚がいる。彼は日本の高齢化を憂えていて、この療法を使って老人の数じたいを減らそうとする。安楽死を認める法案を通そうとしている。この狂気の官僚を演じているのは滝藤賢一。

このドラマ、前半は医師とその父との確執、副作用の発見、医師を掌中に取り込もうとする官僚の駆け引きなどが描かれるが、後半はほぼ医師と官僚の対決が焦点となる。

結果的に目立ったのは滝藤賢一だった。悪役でもあるのだが、なかなかこういうふうにこの役を演じられる役者は少ないだろう。

医療は何があっても命を救おうとする。その結果、昔であれば死んでいたはずの老人も生きることになり、医学の進歩は結果的に高齢化社会をもたらした。はたして、生かすのが正義か、死なせるのも正義か? なかなかこういう重いテーマはドラマで取り上げられることが少ない。

PPP(ピンピンポックリ)というスローガンが出てくる。直前まで元気に生きて、死ぬときは苦しまずに突然死する。死が絶対避けられない以上、老人にとってこれは理想の死に方ではあるだろう。

ただ、結果的にほぼ全員が死に至るこの療法が治験を通って認定されることはないだろうし、官僚がこの療法を最終的にどういうふうに利用するつもりだったのか、その辺はよくはわからなかった。狂気の官僚が描いた未来図を、もう少し説明するようなくだりがあってもよかったのではないだろうか?

-コンテンツ評論, テレビ番組評
-, , , ,