コンテンツ評論 テレビ番組評

「#あさが来た」のこれまで

asa今季の朝ドラは、史上はじめて幕末から始まる「髷物」朝ドラという触れ込みだったが、四週目が終わったいままでのところでいうと、好評だと思う。

登場人物のキャラが立っている。ストーリーのテンポがよい。くどさを感じさせない場面転換の素早さなど、いい要素が重なっているようだ。

脚本の大森美香が朝ドラ経験者(2005年後期「風のハルカ」の脚本を担当)であるせいか、半年続く朝ドラというものを理解しているからかもしれない。

主人公のモデルは明治初期に活躍した起業家の広岡浅子であるため、深窓の令嬢育ちで婚家も大阪の大手両替商という、いわばセレブ家庭なのだが、主人公がバイタリティあふれる女性として描かれているため育ちよりも本人の個性のほうが前に出ている。

主役の波瑠は、無名とはいえないそこそこの経験を持った若手女優だが、これまで演じてきた役柄とはまったく違うキャラクターであるため新鮮ささえ感じさせる。東京出身のため関西弁に難はあるものの、可愛らしさとバイタリティのバランスよく演じている。

そしてサブヒロインともいえる主人公の姉を演じる宮崎あおいは、若いが大女優の風格すら感じさせる演技。主人公とは対照的に堪え忍ぶ若嫁像を見事に演じていて、存在感はピカイチだ。

ほめてばっかりだが、言葉の使い方などにちょっと気になる点はある。特に気になるのは「お姉ちゃん」「お祖父ちゃん」という「ちゃんづけ」で、時代背景や舞台となる商家にふさわしくないなぁ、とは思う。しかし、これは時代劇でも大河ドラマでもなく、朝ドラなのだという点を考えれば、そう杓子定規に考えることもあるまい。

第4週にして主人公あさは正式に婚家である加野屋の働き手として認められ、ビジネスウーマンとしての一歩を踏み出す。奈良の豪商玉利の「日本一の女商人になる」という言葉ももらう。おそらく、朝ドラ、特に大阪制作の朝ドラに特徴的なビジネスドラマ的な側面も今後は描かれていくことになろう。

次が楽しみな朝ドラである。

 

-コンテンツ評論, テレビ番組評
-, , , ,