コンテンツ評論 映画・DVD評(邦画)

「くちびるに歌を」をみた

benri.01239.00000002ガッキーこと新垣結衣の主演映画。

長崎県五島のとある中学校に赴任してきた音楽の臨時教師、柏木ユリに扮する。産休の音楽教師に代わって合唱部の指導をすることになった彼女は、長身の美人だが、いつも堅い表情を浮かべていて笑顔を見せない。ユリが実はプロのピアニストだったということが生徒たちにもわかってくる。あることがきっかけでピアノが弾けなくなってしまったユリは、合唱部の生徒たちとのふれあいの中で過去と向き合い、徐々に合唱の指導に打ち込んでいく。

ストーリー的には「二十四の瞳」の合唱版という感じで、ほぼ予想通りに進む。素晴らしいのは、生徒たちの表情だ。
特に、自閉症の兄を持つサトルのエピソードがいい。アンジェラ・アキの「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」をモチーフにしているのだが、未来の自分へ向けた手紙に記された兄への思いが泣かせる。

劇場映画という時間的制限があって、生徒のひとりひとりを掘り下げて描く時間はない。父に捨てられた過去を持つ部長のナズナとサトルの二人だけが掘り下げられて描かれるのだが、他の生徒たちにもそれぞれのエピソードがあるだろう。五島の美しい風景ももっと見たかった気がする。

ガッキーの演技が変わってきた気がする。この映画では柏木ユリの設定上、CMなどでおなじみのガッキースマイルを封印して演じているのだが、こちらのほうが彼女自身の素に近いのかもしれない。大きく変化しない表情の中に、感情の起伏を込めて表現できるようになった。アイドルから女優に変わりつつある今その過程にいるのだろう。これからの成長が楽しみな女優になってきた。

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