コンテンツ評論 テレビ番組評

「ど根性ガエル」をみた

t070505「ど根性ガエル」が実写ドラマ化されると聞いた時には、頭の中にハテナマークがたくさん浮かんだ。

そもそも「ど根性ガエル」はザ・70年代な漫画、あるいはアニメである。繰り返しアニメ化されることによって世代を超えて愛されてきた「ドラえもん」とはわけがちがう。最近の若者、いや壮年ですら知らないのではないか?

そもそもギャグ漫画だぞ。平面ガエルだぞ。しかもひろしが30歳で松ケンが演じる?
どう考えてもキワモノになるんじゃないか?

ところが始まってみると、これが好評だった。「ど根性ガエル」の後日談として完全に世界観を引き継いでいる。それはまあ、アニメと実写は違うし、登場人物は16年経って子供だった主人公たちも大人になってるし、違和感がないとはいわない。でも、これはもう「ど根性ガエル」の世界なのだった。

それは、実写のシャツの上で「平面ガエル」などという漫画そのものの設定を再現したアニメ合成班と、そして今回は声優として参加した満島ひかりの存在が大きいだろう。
もちろん演技に定評のある満島ひかりだが、今回は自分の肉体を使わない声だけの演技ということで、さらにその幅を広げたような気がする。性別も、種族も越えて、アニメ版の声質さえも引き継いでぴょん吉そのものを表現してくれた。

そして、ギャグ漫画ならではのドタバタを大人が見ても納得できる作品にしたのは、「びょん吉の死」という避けがたい現実をストーリーの軸にしたところだろう。そもそもカエルであるぴょん吉がいつまでも人間のひろしと一緒にいられるはずがない。いずれは別れが来る、という予感を「ぴょん吉がシャツから剥がれる」という切ないビジュアルで表現したところもいい。

そして最終回。ぴょん吉はその「死」を経て復活するのだが、それはもうこのマンガ世界がひとつのクローズドワールドとして成立した瞬間ともいえる。私としては、「ぴょん吉がいなくなった世界」を生きていくひろしも見たかったのだが。

ただ、夏クールの放映として仕方がなかったのだろうが、ぴょん吉シャツは原作どおり長袖のハイネックであるべきだった。白の半袖Tシャツではどうにも安っぽい。

あと、原作のレギュラーでひとりだけ登場しない人物がいるのも気になった。それは宝寿司の大将。そもそも原作では梅さんは雇われ板前で、小柄な大将の下で働いていた。16年経ってるので梅さんに店を譲って引退したのだろうが、ちょっとその経緯にも触れてほしかったような気がする。

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