コンテンツの育て方 コンテンツ文化論

「とにかく明るい安村」にみるバラエティの内向きさ

yasumuraいつの間にかバラエティを見なくなっている。

その理由は「面白くないから」に尽きる。出てくる芸人、MC、企画Vすべてがつまらない。

「とにかく明るい安村」という芸人のネタにその理由があらわれているように思うので、少しそのネタを分析してみたい。

安村はいわゆる裸芸人である。ビキニブリーフ一丁で登場し、一瞬だけカメラからは全裸に見える(つまりうまくブリーフが隠れる)ポーズをとって、その後に「安心してください。履いてますよ」とブリーフを指さすというネタである。


この「安心してください」に昨今のバラエティの問題がつまっているような気がする。

安村は誰に向かって「安心してください」と言っているのだろう?

視聴者に向かって「安心してください」とは言っていないだろう。別に男のチンチンなど見たくないが、開陳することは笑いの一手法ではある。

全裸でないとわかって安心するのは、番組関係者だ。なぜなら、TVのオンエアでチンチンをおっぴろげてしまったら番組関係者にとっては一大事だからだ。
だから全裸に見えるポーズをとり、それが全裸でないことを見せて「安心してください」と言う。これは番組関係者にとっては、桂枝雀師匠のいう「緊張とその緩和」に合致している。

つまり、このネタが一番効くのはMCや他のパネラーを含めた番組関係者であり、完全に内輪受けのネタだということだ。それに視聴者も乗せられて笑っている。それはMCはじめパネラー一同が笑っているからだ。

この構造、つまり芸人がMCや他のパネラーを笑わせて、その笑っている様子を見せるというバラエティの構造が今の一般的なバラエティ制作の手法になってしまっている。そこに視聴者はいないか、意識されていない。完全に内輪のトーク芸である。

最初は漫才やコントなど直接客を笑わせる芸ではじまる芸人たちであるが、売れてくると同時に活躍の舞台はTVオンリーになってくる。もはや客を直接笑わせる芸能力は持っていないのだろう。

バラエティの視聴率が伸び悩んでいると聞いたが、どの番組を見てもこうした内輪受けのネタになってしまっては、当然という気もしている。

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