コンテンツ評論 テレビ番組評

「3つの街の物語」をみた

フォトギャラリー|TBSテレビ:3つの街の物語日曜の午後にひっそり放映されていた。15分程度の3つの短編からなるオムニバスドラマ。
いずれもローソンの店員を主人公とし、店舗で起きた出来事を中心としている。

私の注目女優である吉田羊さんがそのうち一編の主役をつとめる、ということで見てみた。

そしたら、見事にローソン一色。(笑) 当たり前か。

第一話は過疎地のローソンが舞台。経営合理化を進めていたオーナーの息子(石丸幹二)が、災害によって孤立化したことをきっかけに、ローソンが地域の心のよりどころになっていたことに気づく話。

第二話は住宅街のローソンが舞台。クレーマーとみられた老婦人客が買っていく「豆大福」をきっかけに、亡夫との絆をパート店員(吉田羊)が思い出し、彼女の心を溶かす「いい話」。「社員でもパートでもアルバイトでも、客の前ではひとりの店員。プライドを持って働きなさい」という言葉が出てくる。

このふたつのエピソードから感じとれるのは、これはパブリック(客サイド)へのメッセージに見えて、実はインナー(店員サイド)へのメッセージだということだ。
昔、TVでオンエアされたものではないが、企業がインナー向けにこういうドラマ作品を作っているのを見せてもらったことがある。

さすがローソン。全国にある店舗の店員に向けてビデオを配布するよりは、テレビドラマとしてオンエアしてしまった方がリーチするだろうという計算だろう。
自分の働いている店のドラマだといえば、パートであれアルバイトであれ見る店員が多いはず。

そうすると第三話はどういう位置づけかと思った。このエピソードだけ、インナーへのメッセージが見当たらない。舞台は都心部のローソン。カメラマン志望のアルバイト店員(溝端淳平)とデザイナー志望の女性客(小嶋陽菜)の出会いを描いた恋愛ドラマであって、ローソンは出会いの場として設定されているだけ。

このエピソードは、若い世代が多いであろうアルバイト店員に向けた客寄せパンダだろうか。だから、若い世代にアピールするであろう若い俳優を主役に据えた。第一、二話だけだと若い世代には届かないだろうと考えたのかもしれない。

アプローチ手段としてはYouTubeなどもある時代だが、TVのリーチ率の高さをうまく生かした企業戦略だろう。もちろん、客に向けてのイメージ向上戦略でもある。

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