コンテンツ評論 映画・DVD評(邦画)

「超高速!参勤交代」をみた

2015/06/03

超高速! 参勤交代 Blu-rayコメディ展開あり、チャンバラありのエンターテイメント時代劇。

…なのだが、ちょっとストーリーが雑ではなかろうか?

幕府(の悪役老中)から、隠し金山の疑惑について申し開きをするためにわずか5日間で江戸に参勤するように無理難題を申しつけられた小藩が、金もない人員もない中でどうやってそんな早さで江戸までたどり着けるのか? しかも老中が放った刺客が追ってくる。

とまあ、基本フレームはいいだろう。

しかし、そもそも疑惑の申し開きだけならわざわざ参勤交代で国元に帰ったばかりの藩主が急いで参勤する必要もない。そのために江戸家老がいるわけである。しかも、もともと金山の採掘は失敗しており、その証拠を提出すれば申し開きが立つ、というならなおさら藩主を江戸に呼んではいけないのではないだろうか。そのあたり、参勤を無理強いするためのロジックが成立していない気がする。

また、参勤交代の大変さは時代劇ファンにもそんなに浸透していないはず。最初は通常の参勤交代ではじまるのだから、そこで十分に参勤交代というものが小藩にとって非常な財政的負担であり、さまざまな制約を課されたものであることを明確に説明していないといけなかったのではないかな? なんとなく雰囲気で走っているような気がする。

最後は江戸に入った一行をなぜか大チャンバラで阻止しようとするのだが、江戸市中でこんな合戦のようなことをすれば、当然幕府の通常行政機関(大名家だから大目付あたりになるのだろうか?)は黙っていないはず。江戸に入られた時点で老中の企みは瓦解しているはずなのだ。しかも、この小藩の侍が一騎当千、忍者軍団を向こうに回して強い強い。それはいくらなんでも最初のほうでみせた稽古風景ひとつで納得できるもんじゃない。

ここはやっぱりチャンバラを抑えて、金も腕っぷしもない小藩が知恵とコネで切り抜けていったほうが痛快な時代劇になったのではないかと思う。強いのは殿様だけにしておきなよ。

-コンテンツ評論, 映画・DVD評(邦画)
-, , ,