コンテンツ評論 テレビ番組評

「64(ロクヨン)」をみた

2015/05/21

64NHKNHKの土曜ドラマ。横山秀夫原作の「D県警もの」警察ドラマである。ただし主人公は刑事ではない。元刑事だが現在は広報官という立場にある。

この主人公を電気グルーブのピエール瀧が演じる。「あまちゃん」などでレギュラー出演があり、最近は俳優としての活動が目立つとはいえ、本職の俳優ではない。演技もうまいとはいえない。

ただ、警察官という役柄を通してみていると、そのいかつい風貌といい、なまじなイケメン俳優より実在感はあるように思う。

わずか7日間で平成に変わった、幻の昭和64年。その64年に起きた未解決の誘拐殺害事件はいまだに「ロクヨン」という符牒で呼ばれている。

この未解決事件をさまざまなかたちで引きずる被害者と捜査関係者たち。やはり捜査陣のひとりであった三上(ピエール瀧)は今は警務部広報室に移動して広報官になっている。
広報官として警察庁長官のテコ入れ視察を成功させるべく動く三上の前に、14年前のロクヨンをなぞった新しい誘拐事件が起きる。

主人公が捜査官ではないので、起きている事件も見えにくい。過去の事件と、現在の事件を、いわば外側から眺めている人物を主人公に置くことで、刑事ドラマとはひと味ちがった警察ドラマになっている。

瀧はもちろん演出や音楽など「あまちゃん」に携わったスタッフが大勢集結しているのもひとつの話題。ただ、ドラマとしてのテイストはまるきり異なる。むしろ、映像の組み立て方や音楽の生かし方など、ドラマというより「映画に挑戦」という気配を感じる。

このドラマも全5回。ただし1回が1時間。NHKだからまるまる5時間だ。ドラマとしてより「5話ものの映画」として見てしまうので大作に感じてしまうのだった。

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