コンテンツ評論 テレビ番組評

#あまちゃん 春子のはるかな望み~その5~

2014/12/25

春子はこじらせ女子?

春子はこじらせ女子?

天野春子という女性は、どこか未熟で子供っぽいところがある。
相手と自分、どっちもどっちという考え方をせずに、一方的に相手が悪いと決めつけてしまうのだ。

24年前の家出、これは春子と夏の母娘どちらにも自分勝手なところはある。
夏はいったん娘のオーディション参加を認めながら、市長や組合長の訪問を受けると手のひらを返した。
しかし、春子だって母をはじめ北三陸の誰にも告げずにひとり旅立ったのだ。

だが、春子は自分の勝手さを認めず、母の勝手さだけを責める。

春子はそのように自分の非を認めず、相手ばかりを責めるのだ。

さて、太巻と春子の関係に戻る。

春子が一方的に被害者(鈴鹿ひろ美のシャドウシンガーをつとめたためにデビューを阻害されたという意味で)であれば、これほど彼女の中でこじれはしなかったと思う。

すくなくとも太巻と訣別した後では、春子にはデビューを狙う手だては残されていた。
自信も、ある。自分の名義ではないとはいえ、自分の歌が60万枚のヒットをした実績を持っているのだ。

極端な話、週刊誌に「私は鈴鹿ひろ美の影武者だった」というネタを売り込めばいい。
太巻も鈴鹿ひろ美も多大なダメージを受けるだろうが、少なくとも春子は注目される。
興味を持つレコード会社や芸能事務所も出てくるはず。

おおっぴらにしなかったとしても、影武者の話をしかるべき会社に持ち込めば、春子の歌の実力は証明されたも同然だ。

ただしこれは、太巻に対する暴力事件がなかったとしたらの話である。
春子は太巻を叩きのめすと同時に、自分のこうした可能性じたいを壊したのだ。

ひとつは、同志ともいえる太巻の夢を絶ったという後悔。
もうひとつは自分の残された道をも閉ざしたという後悔が春子にはあるはず。

だが、春子の中で太巻に対しては「これで、おあいこよ」という感情があったのではないか?
でなければ、太巻のいるオフィス・ハートフルに対して娘アキを託したりはしなかっただろう。

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