コンテンツ評論 テレビ番組評

#あまちゃん 春子のはるかな望み~その3~

2014/12/25

春子と太巻の最初の出会いはオーディション番組

春子と太巻の最初の出会いはオーディション番組

あまちゃんファンには広く知られていることだが、2011年の後半に、脚本の宮藤官九郎(クドカン)、訓覇チーフプロデューサー、井上チーフ演出は岩手県久慈市にシナハン(シナリオ執筆のための取材)に出かけている。

その帰り道の新幹線で、クドカンは「あまちゃん」の構想をほぼ完全なかたちで披露したという。

「物語はどこからはじまって、途中にどんな出来事があって、どう終わるか。そのすべてを宮藤さんは話していて、その筋書きどおりに〈あまちゃん〉は完結しました」 あまちゃんメモリアルブックより (井上チーフ演出)

ならば、これはあくまで私の想像だが、こんなやりとりがあったのではないかと思うのだ。

「このプロデューサーは、なぜヒロインを目の敵にするんですか? 普通は母親をデビューさせられなかったかわりに娘をデビューさせてやろうと思うものでしょ」
これに答えてクドカンは、春子による太巻暴行事件を語る。
「宮藤さん、それはダメだ。これは朝ドラなんですよ。ヒロインの母親が元ヤンというのだってギリギリのところです。暴力をふるって人を再起不能にしてしまうなんて、許されるわけがない」

かくて、春子の後悔のタネはストーリーから排除される。しかし、本来それがあって全てが構築されていたので、どうしても太巻・春子両サイドに動機のよくわからない心理や行動が残されたのではないだろうか。

太巻側のことについては以前に書いたので、そちらを参照いただきたい。

春子の後悔についてである。

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