コンテンツ評論 テレビ番組評

#あまちゃん 春子のはるかな望み~その2~

2014/12/25

太巻と訣別する春子

太巻と訣別する春子「あまちゃん」第96回

その1を書いてから、ずいぶん長く経ってしまった。

別にほったらかしていたわけではなく、折りに触れて天野春子のことについては考えていたし、「あまちゃん」を見返してもいた。
だが、続きを書けるほど春子の心理に迫る手がかりを得ることができなかったのだ。

そのきっかけが別のところからやってきた。クドカン脚本の「ごめんね青春」である。
このドラマの主人公原平助は、高校時代からずっとひとつの後悔を抱いていた。
それは、ふたつの高校の仲が悪くなるきっかけとなった、礼拝堂の火事を自分が起こしてしまった、という後悔だ。

自分がしでかしてしまった出来事による後悔、それを抱えたままずっと生きている。
クドカンがそんな主人公である原平助を造形したとすれば、天野春子にも同じような後悔を想定していたと考えてもおかしくはないのではないか。

それによって彼女は、なりたかった歌手への道をあきらめたばかりか、歌そのものから遠ざかってしまったのではないか? と考えてみた。

すると、これが意外とハマるのだ。春子は、どこか後悔を抱えている。
そう考えれば、アイドルとしてデビューできなかった悔しさだけでは説明できない部分も少し見えてくるような気がする。

しかし「あまちゃん」の物語の中で、春子が具体的に後悔にさいなまれるような出来事はない。ドラマで描かれた出来事だけからは、春子はむしろ被害者で、一方的に不利益をこうむったように思える。

じゃあ描かれなかった出来事とは何か? 実は、私はもう一年以上も前にそれを考え、このブログに書いていた。下記のエントリーを参照願いたい。
「おら #あまちゃん の太巻を語る~その2」

この記事の中で、私は天野春子による太巻こと荒巻太一への暴行事件を仮定した。

第96回で描かれた、春子と太巻の訣別シーン。その後、春子は路上で太巻を呼び止めて暴行し、ダンサーとして再起不能となる怪我を負わせた、という想像である。スケバンだった春子なら、そういうこともあったのではないかというイメージだ。

こう仮定することによって太巻のアキに対する行動が理解できるものになった。しかし、私はそこで想像を止めて、この事件が春子側にどのような心理的影響を及ぼしたのか、を考えることはしなかったのだ。

天野春子は太巻にとって被害者でもあるが、同時に加害者でもある。そう仮定すれば、春子の心理が解けるような気がした。
というわけで、1年近く経ってしまったが、この稿もぼちぼち続けていこうと思う。

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